there is 構文の正しい使い方|会話形式の例文でマスター
there is 構文(〜がある・いる)は、物や人の「存在」を表す表現で、新情報(相手が知らないもの)について述べるものだ。
文の形がシンプルで使いやすい分、気付かないうちに間違った使い方をしてしまうこともあるので、注意が必要だ。
ここでは、there is 構文の正しい使い方や文構造について、会話形式の例文も交えながら学んでいこう。
CONTENTS
there is 構文のニュアンス
there is 構文(〜がある・いる)は、物や人の「存在」を表す表現だが、ニュアンスとしては、新情報(相手が知らないもの)について述べるものだ。
B: Oh my goodness, really?
A: 冷蔵庫にケーキが入ってるよ。あなたのために焼いたんだ。
B: えっ、本当に?
※ここでの「ケーキ」はBにとっての新情報
逆に、次のような旧情報(相手が知っているもの)について述べる場合は、there is 構文を使うとぎこちなくなるので気を付けよう。
旧情報を伝える場合は “S is ...”
旧情報(相手が知っているもの)について述べるなら、there is 構文ではなく、“S is/are ...” という形で表現しよう。
B: Great, let's eat them together after dinner.
A: あなたが買ったケーキは冷蔵庫にあるよ。
B: いいね、夕食の後で一緒に食べよう。
※ここでの「ケーキ」はBにとっての旧情報
ちなみに、ここでの be 動詞は「存在を表す be 動詞(ある・いる)」で、第1文型(SV)を作っている。
there is 構文の文構造
there is 構文は、文法的には、存在を表す be 動詞(ある・いる)を使った変則的な第1文型(SV)とされていて、場所を表す副詞句を添えるのが一般的だ。
there:文構造上の主語
is:動詞V(ある)
a cake:主語S(ケーキが)
in the fridge:修飾語M(冷蔵庫に)
なお、終盤の「発展|there is 構文を使った準動詞」でも触れるが、there は普段は副詞(そこで・そこに)だが、there is 構文の there は文頭に置かれていることもあり、「文構造上の主語」という感覚が強い。
there is 構文には、実際の主語(先ほどの例だと a cake )と文構造上の主語( there )という2つの主語があると押さえておこう。
there is 構文の例文
there is 構文のニュアンスや文構造に慣れるために、例文もいくつか見ていこう。
肯定文
B: Kyoto is always full of tourists.
A: 昨日、京都に行ったんだ。すごい人だったよ。
B: 京都はいつも観光客でいっぱいだよね。
B: Yes, that's mine! Thank you for finding it.
A: キッチンカウンターに携帯があったけど、あなたの?
B: そう、私の! 見つけてくれてありがとう。
疑問文
there is 構文に限らず、疑問文には「疑問詞がないもの」と「疑問詞があるもの」があるので、それぞれの疑問文を見ていこう。
疑問詞なし(クローズド・クエスチョン)
B: Unfortunately, we don't have any rooms left for four.
A: 4人部屋は空いてますか?
B: 残念ながら、空いておりません。
B: Yes, by using AI, we can increase our efficiency.
A: こうした仕事をもっと効率良く行う方法はあるかな?
B: AIを使えば、もっと効率を上げられるよ。
ちなみに、疑問詞がない疑問文は「クローズド・クエスチョン」と呼ばれている。答え方が閉じられている(肯定か否定かで答えるしかない)からだ。
疑問詞あり(オープン・クエスチョン)
この場合には、“there is ...” を “疑問詞 + is there ...?” という語順にして表現しよう。
B: It looks like there are around 30 to 40 people here.
A: 今日はパーティには何人いるかな?
B: 30〜40人くらいいるように見えるけど。
B: Heavy snowfall slowed down all the train services.
A: どうして列車の遅延があったのですか?
B: 大雪ですべての列車の運行が遅れたんです。
なお、疑問詞( how や why など)がある疑問文は「オープン・クエスチョン」と呼ばれている。答え方が開かれている(決まっていない)からだ。
否定文
B: Let me run to the store and buy some more sugar.
A: その料理を作るのに十分な砂糖がないや。
B: お店に行って買ってくるよ。
B: Really? That's unusual for this time of year!
A: 昨日は空に雲ひとつなかった。
B: 本当に? この時期にしては珍しいね!
発展|there is 構文を使った準動詞
「 there is 構文の文構造」でも触れたように、there is 構文の there は「文構造上の主語」なので、there is 構文を準動詞(動詞の意味はあるけど品詞は動詞じゃないもの/不定詞や動名詞など)として使う場合には、there が準動詞の主語の位置に置かれる。
there is 構文の不定詞
不定詞の意味上の主語は、不定詞の直前に “for + something/someone” という形で表現するのが原則だが、there is 構文を不定詞で使う場合にも、“for there” という形が使われる。
(人生に幸せがあるためには、人間関係が必要不可欠だ。)
こうしたところからも、there is 構文の there が「主語」だという雰囲気が感じ取れそうだ。
there is 構文の動名詞
there is 構文を動名詞にするなら、“there being ...” という形にしよう。
(多くの困難があったにも関わらず、彼女は決して夢を諦めなかった。)
動名詞の主語は、動名詞の直前に「目的格」や「所有格」で表現するが、ここでの there にもやはり「主語」という感覚がある。
さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ
ここでは、there is 構文のニュアンスや文構造について学んだが、こうした英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。
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