関係副詞とは? 関係代名詞との違いをわかりやすく学ぼう
関係副詞とは、関係詞節の中で「副詞」として使われる言葉で、基本的なものに when, where, why, how の4つがある。
ここでは、関係代名詞と関係副詞の違いを簡単に整理した上で、それぞれの関係副詞の使い方を学んでいこう。
3つの基本用語|関係副詞をマスターするために
関係副詞をしっかりとマスターするために、まずは「副詞」「先行詞」「関係詞節」という3つの基本用語について整理しておこう。
「それくらいわかっている」という場合には、次の関係代名詞と関係副詞の違いに進んで大丈夫だ。
1. 副詞
関係副詞は「副詞の一種」なので、まずは「副詞の働き」をしっかり押さえておこう。副詞とは、次の4つの働きをする品詞のことだ。
動詞を修飾する
go home(家に → 帰る)
always drink coffee(いつも → 飲む)
形容詞を修飾する
so beautiful(とても → 美しい)
very tight(とても → きつい)
副詞を修飾する
so fast(とても → 早く)
very loudly(とても → 大きな声で)
文全体を修飾する
generally(一般的には)
certainly(確かに)
中でも、関係副詞( when / where / why / how )は、関係詞節(後述)の中で「動詞を修飾する」という働きをする。
2. 関係詞節
関係詞節とは、関係代名詞や関係副詞が作るSVのカタマリ(節)のことだ。
(私たちが買った家には美しい庭がある。)
関係詞節:which we bought
(私たちが住んでいる家でには美しい庭がある。)
関係詞節:where we live
関係代名詞を使おうが、関係副詞を使おうが、基本的には(※)関係詞節は先行詞(名詞)を修飾する形容詞節(私たちが買った → 家/私たちが住んでいる → 家)になる。
※関係代名詞 what は名詞節を作るので、そこは気を付けよう。
3. 先行詞
先行詞とは、関係詞節に修飾される名詞のことだ。
(私たちが買った → 家)
先行詞:house
関係代名詞と関係副詞の違い
関係副詞をマスターするためには、関係代名詞との対比も欠かせない。関係代名詞と関係副詞には、それぞれ次のような特徴がある。
( who / which / that )
・関係詞節の中で「代名詞」として働く
・(それゆえ)後ろが「不完全文」になる(※1)
e.g. The house which we bought has a beautiful garden.
( when / where / why / how )
・関係詞節の中で「副詞」として働く
・(それゆえ)後ろが「完全文」になる(※2)
e.g. The house where we live has a beautiful garden.
それぞれ、詳しく見てみよう。
※1. 不完全文:文型(文の形)が未完成の文
※2. 完全文:文型(文の形)が完成している文
関係代名詞は「代名詞」
次の英文を見てみると、関係代名詞 which が関係詞節の中で他動詞 bought(を買った)の目的語Oになっていることがわかる。
↓ 関係詞節「だけ」に注目すると……
we:主語S
bought:動詞V(他動詞)
which:目的語O(代名詞)
目的語Oになる品詞は名詞(代名詞の名詞の一種)なので、関係代名詞 which は「代名詞」の働きを持っていることがわかる。
関係副詞は「副詞」
一方、次の英文を見てみると、関係副詞 when が関係詞節の中で修飾語Mになっていることがわかる。「文型が出来上がっていれば、残りは修飾語M」というのは英語の鉄則だが、ここでは we live(私たちは住んでいる)で第1文型(SV)が完成しているので、残った where は修飾語Mというわけだ。
↓ 関係詞節「だけ」に注目すると……
we:主語S
live:動詞V(自動詞)
where:修飾語M(副詞)
修飾語Mになる品詞には副詞と形容詞があるが、ここでの where は動詞 live を修飾している(そこに → 住んでいる)ので、関係副詞 where は「副詞」の働きを持っていることがわかる。
関係詞の理解には「自動詞」「他動詞」が必須
なお、ここまで読んだあなたは、「自動詞と他動詞の違い」が関係詞を理解するための大きな土台だと気付いたかもしれない。
以下のページの動画では、自動詞と他動詞の違いをわかりやすく学ぶことができるので、必要に応じて確認しておこう。
4つの関係副詞
関係副詞には次の4つのものがある。
先行詞 | 関係副詞 |
---|---|
time, moment, day など | when |
place, house, area など | where |
reason | why |
way | *how |
*関係副詞 how と先行詞 way は同時には使わないので、必ずどちらか一方が省略される。
ただし、「関係副詞を使うかどうか」は「先行詞の意味」によって決まるわけではない。詳しくは、このページの最後の練習問題でも確認するが、先行詞が place でも関係代名詞 which / that を使うことはある。
要は、逆必ずしも真ならず( The reverse is not always true )ということだ。
関係副詞 where を使うなら、先行詞は「場所」を表す名詞だが、先行詞が「場所」を表す名詞だからと言って、関係副詞 where を使うとは限らない。(関係代名詞 which / that を使うこともある。)
関係副詞の例文
それでは、関係副詞を使った例文を見ていこう。関係副詞が関係詞節の中で「副詞」になっているところにも注目だ。
※関係詞節には下線を入れている。
※完全文とは「文型(文の形)が完成している文」のこと。
1. 関係副詞 when を使った例文
(あなたと一緒にいた日々に戻りたい。)
※関係副詞 when は was を修飾している(そのとき → いた)
※ “I was with you” は完全文(第1文型)
(自分は例外だと思っていたときもあった。)
※関係副詞 when は thought を修飾している(そのとき → 思っていた)
※ “I thought I was the exception” は完全文(第3文型)。
(私たちは結婚が以前ほど重要ではない時代に生きている。)
※関係副詞 when は is no longer such a big achievement を修飾している(そのとき → 重要なものではない)
※ “marriage is no longer such a big achievement” は完全文(第2文型)
2. 関係副詞 where を使った例文
(彼は私が働いているレストランにやってきた。)
※関係副詞 where は worked を修飾している(そこで → 働いていた)
※ “I worked” は完全文(第1文型)
(ここは私が安らげる場所です。)
※関係副詞 where は feel を修飾している(そこで → 感じる)
※ “I feel at home” は完全文(第2文型)
(落ち着いて仕事ができる自分の部屋がほしいなあ。)
※関係副詞 where は can work を修飾している(そこで → 働ける)
※ “I can work in peace” は完全文(第1文型)
3. 関係副詞 why を使った例文
関係副詞 why を使う場合、先行詞は必ず reason になる。また、関係副詞 why はカジュアルな場面では省略する傾向にある。
(あなたがそうした理由をよく理解しています。)
※関係副詞 why は did を修飾している(そのために → やった)
※ “you did it” は完全文(第3文型)
(私は彼女が動揺している理由がわからない。)
※関係副詞 why は is upset を修飾している(そのために → 動揺している)
※ “she is upset” は完全文(第2文型)
(春に花が満開になる理由は、気温と日差しが変化するからだ。)
※関係副詞 why は bloom を修飾している(そのために → 満開になる)
※ “the flowers bloom in spring” は完全文(第1文型)
4. 関係副詞 how を使った例文
関係副詞 how に対する先行詞は way だが、どちらか一方が必ず省略される。way と how を同時に使うことはないので注意しよう。
(これが私が体重を保っている方法です。)
※関係副詞 how は keep を修飾している(そうやって → 保つ)
※ “I keep my weight down” は完全文(第5文型)
(このカメラの使い方を教えてもらえますか?)
※関係副詞 how は can handle を修飾している(そうやって → 使う)
※ “I can handle this camera” は完全文(第3文型)
(パズルを簡単に完成させる方法は、角から始めることだ。)
※関係副詞 how は can easily solve を修飾している(そうやって → 完成させる)
※ “we can easily solve the puzzle” は完全文(第3文型)
練習問題|関係代名詞と関係副詞の見分け方
関係代名詞と関係副詞のどちらを使うのかは、関係詞節の中の文構造に注目して判断しよう。
不完全文 → 関係代名詞
完全文 → 関係副詞
文法問題などでも頻出なので、丁寧に確認しよう。
Q1. the day ( *** ) I will never forget
a. when / b. that
他動詞 forget(を忘れる)の後ろに目的語Oがなく、関係詞節の中が不完全文なので、名詞の働きを持つ関係代名詞 b. that が適切。
(副詞の一種である関係副詞 when を入れても、関係詞節は不完全文のまま。)
意味:決して忘れることのできないその日は、私の結婚式だった。
Q2. the building ( *** ) I entered
a. where / b. that
他動詞 entered(に入った)の後ろに目的語Oがなく、関係詞節の中が不完全文なので、名詞の働きを持つ関係代名詞 b. that が適切。
(副詞の一種である関係副詞 where を入れても、関係詞節は不完全文のまま。)
意味:間違ったと気付いたよ。私が入った建物は博物館じゃなかった。
Q3. the reason ( *** ) you mentioned
a. why / b. that
他動詞 mentioned(に言及する)の後ろに目的語Oがなく、関係詞節の中が不完全文なので、名詞の働きを持つ関係代名詞 b. that が適切。
(副詞の一種である関係副詞 why を入れても、関係詞節は不完全文のまま。)
意味:あなたが口にした理由は、私が考えていたものではなかった。
さいごに|「自動詞と他動詞の違い」が鍵
ここでは、副詞の一種である関係副詞について学んだが、自動詞と他動詞の違いがわかっていないと、本当の意味で関係詞を習得することは難しい。
自動詞と他動詞の違いについて、不安や伸び代があれば、以下のページで丁寧に確認しておこう。
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