前置詞+関係代名詞|in which や with whom の使い方と注意点
前置詞+関係代名詞( in which や with whom など)は、英語でとてもよく使われる表現のうちの一つだ。
ここでは、具体的な英文に触れながら、「前置詞+関係代名詞」の使い方やニュアンスを学んでいこう。
場合によっては、前置詞を関係代名詞の前に置かないこともあるので、注意が必要だ。
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基本の確認|「前置詞の目的語O」が関係代名詞になった英文
まずは基本の確認から。次の2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にしてみよう。先行詞(説明される名詞)が room というモノなので、関係代名詞の which や that が使えそうだ。
(その部屋は小さすぎた。+私たちはその中で会議を行った。)
↓ 関係代名詞 which/that を使って1つの文にすると……
The room (which/that) we held the meeting in was too small.
(私たちが会議を行った部屋は小さすぎた。)
※ which/that は目的格(前置詞 in の目的語O)なので、省略する方がカジュアル。
こうした流れを見ると、関係代名詞 which/that は、in it の it と同じように、前置詞 in の目的語Oになっていることがわかる。
また、room を修飾するカタマリ(関係詞節) “(which/that) we held the meeting in” には、前置詞 in も含まれているという点も押さえておこう。
「前置詞+関係代名詞」になるのは、前置詞と名詞が仲良しだから
先ほどの英文は、前置詞 in を関係代名詞の前に置くこともできる。
↓ in を which の前に回して……
The room in which we held the meeting was too small.
このような「前置詞+関係代名詞」という語順になるのは、前置詞が名詞と仲良し(繋がりが強い)だからだ。
“in the building(ビルの中で)” や “for someone(誰かのために)” など、日常的な表現の中でも「前置詞+名詞」を1つのカタマリ(前置詞句)として捉えることも多いと思うが、それと同じ感覚だ。
今回の英文では、もともとの “in it” という形の影響で、“in which” という形にもなると理解することができる。
3つの特徴
in which や for which など「前置詞+関係代名詞」という語順を使う場合には、次の3つの特徴を押さえておこう。
1. 目的格でも省略しない
2. that は使わない
3. whom を who にはしない
それぞれ、前置詞を後ろに置いた場合と見比べてみよう。
The room in which we held the meeting was too small.
・目的格でも省略しない
・that は使わない
She is a friend with whom I can talk about my problems.
・目的格でも省略しない
・that は使わない
・whom を who にはしない
The room (which/that) we held the meeting in was too small.
・目的格なので which/that は省略できる
・that も使える
She is a friend (whom/who/that) I can talk about my problems with.
・目的格なので whom/who/that は省略できる
・that も使える
・whom を who にできる( who の方がカジュアル)
なお、日本語でも似たような感覚だが、言葉というものは「省略する方がカジュアル」「省略しない方がフォーマル」だ。
これを踏まえると、which や who を省略しない「前置詞+関係代名詞」という語順は、比較的フォーマルな表現だということも理解できる。
【注意】「前置詞+関係代名詞」にしない場合
なお、“look for(〜を探す)” や “take care of(〜を世話する)” など、前置詞と動詞の繋がりが強い場合(句動詞の場合)には、「前置詞+関係代名詞」にはしないので気を付けよう。
(探してた本、古本屋でやっと見つけたよ。)
× for which I've been looking
(祖母は私が定期的にケアをする必要がある人なのです。)
× of whom I need to take care
この場合、前置詞は「動詞の一部」という感覚なので、わざわざ引き離さないということだ。
さいごに|関係代名詞の基礎は「品詞と文型」
ここでは「前置詞+関係代名詞」について学んだが、こうした表現の基礎になっているのは、やはり「品詞や文型」だ。
英文法(語順のルール)を丸暗記ではなく、理解しながらマスターしたい場合には、「品詞や文型」を土台にして、それぞれの単元や表現を学んでいこう。