had betterはもはや命令文!?shouldやmay as wellとの違い

had betterは、助動詞の中でも注意を払うべき表現だ。
「~した方がいい」と訳されることが多いが、どれくらいの気持ちで提案するときに使われる表現なのかが、いまいちピンと来ない。
ここでは、had better(~した方がいい)とshould(~すべき)とmay as well(~した方がいい)という、3つの助動詞の違いについて整理しよう。
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had betterは、もはや命令文
betterという比較級が使われているので、had betterは「…するよりは~した方がいいよ」という感じの軽~い提案だと思われやすい。
けれども、ネイティブの先生などがよく説明するように、had betterはかなり脅迫めいた言い方だ。
You had better clean your room, or I won’t give your allowance.
部屋を片付けなさい。そうでないとお小遣いをあげないわよ。
You had better call me soon.
すぐに電話するように。
このように、had betterというのは実際には命令文にかなり近い。
純粋な命令文の「強さ」を100%だとすると、had betterは98%といったところだ。
Call me soon.(すぐに電話するように/100%)
You had better call me soon.(すぐに電話するように/98%)
You’d better call me soon.(すぐに電話するように/90%)
「~した方がいい」という和訳の醸し出すニュアンスに、騙されないようにしよう。
なお、「You’d better」と短縮すると、濁した表現になる分、had betterに比べて若干だがまろやかになる。
had not better?had better not?否定文に注意
またhad betterを否定文で用いるときには、使用上の注意をよく読んでおきたい。
現在完了(have not done)や過去完了(had not done)などの癖から、had not betterとしてしまいがちだが、これは間違い。
ここは、had betterを一つの大きな助動詞とみなして、had better notという語順にしよう。
You had not better leave it undone.(×)
You had better not leave it undone.(○)
それをやらないままにしておかないように。
アドバイスや助言にはshouldがピッタリ
had betterのような「命令」ではなく、何か「助言」をしたいような場合には、shouldがピッタリだ。
You should check if you have a backup.
バックアップを取ってるかどうか確認しておいた方がいいよ。
You shouldn't tell him that.
それ、彼には言わない方がいいよ?
このshouldは、ネイティブの先生に言わせると「強制はしていないがしっかりと提案している」感じ。感覚値だが、強さはおよそ60%くらいのようだ。
may as wellは「どっちでもいいけど…」
may as wellは、助動詞を勉強する中で出てくる厄介者で、「~してもいい・~した方がましだ」という意味。
文法的にも非常に厄介で、何気に「as … as」という形を備えた比較の表現だ。(2つ目のas以降が省略されている。)
may as wellの文法的な説明は、またやる気スイッチの入った別の日に行うとして、ここではそのニュアンスを見ておこう。
このように、may as wellは「どっちでもいいけど、~する方がいいんじゃない?」といった控え目なニュアンスだ。「~する方がいい」とは言うが、had betterやshouldとは明らかにレベルが違う。
軽い気持ちで使う表現として押さえておこう。
さいごに
いかがだっただろう。
一言に「~した方がいい」とは言うが、had betterとshouldとmay as wellでは、そのニュアンスがまったく異なるわけだ。
今日ご紹介した例文のような「具体的な状況」もイメージしながら、うまく整理していきたい。
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