動名詞の意味上の主語をマスター|なぜ所有格や目的格なのか?
動名詞の意味上の主語とは、動名詞が表している動作を行う主語のことだ。
文法的には所有格( my, their, its など)で表すのが基本だが、比較的カジュアルな場面だと、目的格( me, them, it など)で表すこともよくある。
ここでは、動名詞の意味上の主語について、豊富な例文を通して学んでいこう。
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動名詞の意味上の主語は「所有格」が基本
動名詞( doing / 〜すること)は「動詞の意味を持つ名詞」の一種なので、その意味上の主語は、名詞に添えやすい「所有格」で表すのが基本だ。
(私たちは彼がチームに加わることについて話した。)
意味上の主語:his(彼が)
動名詞:joining the team(チームに加わること)
(あなたが戻ってくるのを楽しみにしています。)
意味上の主語:your(あなたが)
動名詞:coming back(戻ってくること)
このように、動名詞は「名詞の一種」なので、意味上の主語(=その動作が誰のものなのか)は「所有格」で表すのが原則だ。
your bag や his idea のように、普通の名詞に所有格が添えられるのと同じだと押さえておこう。
意味上の主語とは?
なお、意味上の主語とは、準動詞(不定詞・分詞・動名詞)が表す動作を行う主語のことで、文構造上の主語(文頭の主語)との区別を明確にするための言葉だ。
英文法(語順のルール)の理解を深める場合には、以下のページで学んでおこう。
動名詞の意味上の主語が「目的格」になる理由
動名詞が「他動詞や前置詞の目的語O」になる場合には、意味上の主語を「目的格」で表すことも多い。
(私たちは彼がチームに加わることについて話した。)
(あなたが戻ってくるのを楽しみにしています。)
意味上の主語が「目的格」になるのは、他動詞や前置詞の直後には「目的格」が続くという癖によるものだ。
例えば、他動詞 love(を愛する)の後ろには目的格の you が、前置詞 to の後ろには目的格の him が続いたりする。
こうした普段の癖から、他動詞や前置詞の直後に「意味上の主語 + 動名詞」を表現するときには、意味上の主語がつい「目的格」になってしまうというわけだ。
ただ、文法的には「所有格」で表現するのが基本なので、動名詞の意味上の主語を「目的格」で表現した場合には、比較的カジュアルな印象になると押さえておこう。(文法に忠実だとフォーマル、文法から離れるとカジュアル。)
動名詞の意味上の主語がある例文
動名詞の意味上の主語は「所有格」または「目的格」で表すということを踏まえて、いくつか例文を見ていこう。
(私は彼がいつも愚痴をこぼすのに耐えられない。)
(状況の複雑さをご理解いただけたこと、感謝します。)
(来月、あなたがチームに加わると聞きました。)
(彼女は彼がミーティングに参加するよう主張した。)
(遅延の理由は電車が故障したことです。)
(多くの国に住んだことは私の視野を広げた。)
意味上の主語を省略する場合
動名詞の意味上の主語は、
1.「その文の主語」と同じ場合
2.「世間一般の人々」の場合
には省略するのが一般的だ。逆に、動名詞に意味上の主語が添えられていない場合、「その文の主語」や「世間一般の人々」が意味上の主語だと考えられるのも重要なポイントだ。
1. 意味上の主語が「その文の主語」と同じ
(また会えるのを楽しみにしています。)
動名詞:meeting you again
意味上の主語:I(文の主語)
(音楽の音量を下げてもらえませんか?)
動名詞 :turning down the music
意味上の主語:you(文の主語)
2. 意味上の主語が「世間一般の人々」
(自分を愛することは素晴らしい人生にとって不可欠だ。)
動名詞:Loving yourself
意味上の主語:you(世間一般の人々)
(水を飲むことは、肌の保湿に役立つ。)
動名詞:Drinking water
意味上の主語:we(世間一般の人々)
さいごに|英文法をマスターしたいあなたへ
ここでは、動名詞の意味上の主語を「所有格」または「目的格」で表すことを学んだが、英文法(語順のルール)は読解力や表現力の土台になるものだ。
もしもあなたに英文法の伸び代があれば、当サイトの無料動画「暗記のいらない英文法(全31回)」も併せて学んでおこう。
きっと、英文法への苦手意識を克服するキッカケになるはずだ。