仮定法と if 節の違い|直説法という言葉も知っておこう
仮定法という言葉は、その字面から「仮定を表す表現方法(= if を使った表現)」のことだと思われがちだが、正しくは「事実に反することを表す動詞V」のことだ。
ここでは、仮定法の対義語である直説法という言葉にも触れながら、仮定法と if 節の違いを整理していこう。仮定法をマスターするための、欠かせない下準備として。
仮定法とは
仮定法とは「事実に反することを表す動詞V」のことで、大きく分けると仮定法過去と仮定法過去完了の2つがある。
(もし時間があれば、歴史の本をもっと読むのに。)
仮定法過去:had と would read
(渋滞のことを知っていたら、もっと早く出発したのに。)
仮定法過去完了:had known と would have left
それぞれの仮定法について、詳しくは以下のページで学ぶとして、まずは仮定法という言葉が「事実に反することを表す動詞V」を指しているということを押さえておこう。
仮定法は英語で subjunctive mood
なお、仮定法の「法」という漢字からは「方法( method )」が連想されがちだが、仮定法は英語で subjunctive mood と表される。( subjunctive method ではなく。)
この mood という言葉は、いわゆる「ムードがいい」というフレーズでもお馴染みのもので、身近な意味としては「気持ち」や「雰囲気」といったところだ。
こうしたところから、仮定法( subjunctive mood )は方法( method )ではなく、願望や後悔、提案や批判といった気持ち( mood )を表す動詞Vの形のことだと理解することもできる。
直説法とは
直説法とは、仮定法の対義語のような言葉で、事実(またはそれなりに可能性のあること)を表す動詞Vのことだ。
(お腹が空いているなら、サンドウィッチを作るよ。)
直説法:are と can make
簡単に言えば、小中学校などで出てくる動詞Vのことだが、仮定法という表現を学ぶ上では、直説法( indicative mood )という言葉も押さえておこう。
なお、漢字は「直接法」ではなく「直説法」なので気を付けよう。
仮定法と if 節の違い
ここまでの話を踏まえると、仮定法と if 節の違いは明白だ。仮定法(や直説法)が動詞Vを指すのに対して、if 節は “if + SV” というカタマリ(節)を指している。
別の言い方をするなら、仮に if 節がなくても、仮定法が使われている可能性はあるということだ。
(お金がたくさんあれば、新しい家を買えるのになあ。)
仮定法:had と could buy
if 節:If we had enough money
(信じてるよ。そうでなければ、このことを君に話していないよ。)
仮定法:wouldn't be talking
if 節:なし
※ご参考:otherwise の3つの意味と使い方
あなたがこうした言葉の違いに興味を持っているのは、英文法(語順のルール)を正しく理解しようとしている証とも言えるので、このページがお役に立てたなら幸いだ。
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