as soon as だけじゃない!「~するとすぐに」を表す英語表現

「~するとすぐに」という表現としては、as soon as SV がもっとも有名だろう。
ここでは、as soon as を用いるときの注意点と共に、それに類似する表現についても触れ、英文法への学びを深めていこう。
文法を、暗記ではなく理解しながら勉強したい人にとっては、最適の内容となるはずだ。
CONTENTS
as soon as を用いるときの注意点
As soon as I arrive, I will get in touch with you.
到着したらすぐに連絡するよ。
ここでの as soon as は、大きな接続詞だと見なせばいい。多くの接続詞が副詞節を導くのと同様に、「As soon as I arrive」もやはり副詞節になっている。「到着するとすぐに ⇒ 連絡する」という言葉の繋がりから、副詞節だということがわかるだろう。
注意点としては、その副詞節の中では、たとえ未来のことでも現在形の動詞を用いるということ。
As soon as I will arrive, I will get in touch with you. (×)
As soon as I arrive, I will get in touch with you. (○)
これは何も、as soon as を用いたときに限らない。どうやら一般的に、時や条件を表す副詞節では、未来のことでも現在形で表すようだ。
謎の呪文「未来形を現在形で代用する」
参考書などには、特に中高生などに圧倒的な不人気を誇る「謎の呪文」が書かれてある。
これだけだと何だかよくわからないが、キーワードは副詞節。副詞節だから、わざわざ未来を表すwillを使う必要がないのだ。
どういうことなのか、簡単にお話ししよう。
ご存じのように、副詞というのは動詞を修飾するはたらき持っている。もっと平たく言うと、副詞は動詞と結びつきが強いのだ。
ここで、さっきの例文での副詞(As soon as I arrive)が修飾していた動詞は?そう、will get in touch with(~に連絡する)だ。
この「修飾先」である動詞 will get in touch with が未来形になっているわけだから、そこにかかる副詞節では、もはや未来を表すwillは余分だろう。「未来の動作」を修飾する副詞は「未来を表す副詞」に決まっている。だから、時や条件を表す副詞節では、willを使わないというわけだ。
as soon as が文法問題で出てくるときには、この「謎の呪文」の話も絡むことが多いので、注意しよう。
もう一つの「~するとすぐに」 the moment SV
The moment I clicked on the link, the box to type in my password popped up.
そのリンクをクリックした瞬間に、パスワードを入力するボックスが出てきた。
閲覧したいウェブページがあるのに、そのページより手前に「期間限定・お試し無料!」などという広告が表示され、イラッとしたことがキミもあるだろう。あれを「ポップアップ広告」と言うが、pop up というのは「パッと出現する」という意味の動詞だ。
as soon as と同じような表現としては、ここで用いられている the moment が有名だ。
ただこの the moment、どう見ても単なる名詞。単なる名詞が、あたかも接続詞であるかのようにはたらいて副詞節をつくるというのは、どうも納得がいかない。
そこで最後に、「どうしてこの the moment を副詞節を導く接続詞として扱えるのか」を見ておくことにしよう。
the moment SV が、副詞節となる理由
実はこの the moment SV という表現では、前置詞と関係副詞が省略されている。
(At) the moment (when) I clicked on the link, the box to type in my password popped up.
つまり直訳すると、「私がそのリンクをクリックした瞬間において……」という意味になり、それが「~するとすぐに」という言い回しに繋がっている。
名詞の the moment が副詞節を導いているのではなく、省略されている前置詞の at が副詞句を導いているというのがホントのところだ。
確かに the moment を接続詞だと扱えば話は早いのだが、前置詞や関係副詞の省略というのは他の場面でも頻繁に起こりうることだ。そういった場面でもしっかりと対応できるように、やはりこういう表現を理解を交えて押さえておきたい。
まとめ
いかがだっただろう。as soon as や the moment は、その意味を覚えるだけなら5秒とかからない。
だが、他の場面でも応用の効く文法力を身につけるためには、今日のように「なぜ?」という視点を持ち続けることが大切だ。
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