関係代名詞の非制限用法|3つの特徴と制限用法との違い
関係詞の非制限用法とは、すでにどんなものかがわかっている名詞(先行詞)についての「補足説明」をするときの表現で、文章では関係詞の前にカンマ(,)が置かれるという特徴がある。
ここでは、制限用法と非制限用法の違いを整理した上で、関係代名詞や関係副詞の非制限用法について学んでいこう。
なお、非制限用法を学ぶ前提として、「関係代名詞と関係副詞の違い」への理解は必須なので、不安があれば以下のページも参考にしてほしい。
※ご参考:関係副詞とは? 関係代名詞との違い
CONTENTS
制限用法と非制限用法の違い
制限用法(限定用法)と非制限用法(継続用法)のニュアンスの違いは、次の通りだ。
・先行詞を特定するための表現
My daughter who is five loves her songs.
(私の5歳の娘は彼女の歌が大好きなんだ。)
→ 何人かいる娘の中から「5歳の子」を特定するイメージ
・すでに特定されている先行詞についての「補足説明」をするための表現
My daughter, who is five, loves her songs.
(私の娘は、5歳なんだけど、彼女の歌が大好きなんだ。)
→ 娘は一人で、その子について「5歳なんだ」と補足するイメージ
これを踏まえて、非制限用法の使い方を詳しく見てみることにしよう。
非制限用法の3つの特徴
関係代名詞や関係副詞の非制限用法には、次の3つの文法的な特徴がある。
(1) 関係詞の前にカンマ(,)を置く
「これは補足なんだけどね」という気持ちから、非制限用法では関係詞節の前にカンマ(,)を表現するのが一般的だ。
(午後に同僚のジョンと会う予定なんだ。彼はプログラマーなんだけどね。)
(私たちのアプリは、ここでダウンロードしてもらえるのですが、あなたがバランスの取れた栄養プランを立てるのをサポートします。)
(2) 目的格でも省略しない
制限用法では、関係代名詞の目的格を省略することがよくある。
これに対して、非制限用法では、たとえ目的格であっても省略しないので注意しよう。
(私たちのアプリは、ここでダウンロードしてもらえるのですが、あなたがバランスの取れた栄養プランを立てるのをサポートします。)
→ ここでの which は目的格(他動詞 download の目的語O)だが、省略しない。
なお、関係代名詞の主格・所有格・目的格については、以下のページで詳しく学ぶことができる。
※ご参考:関係代名詞の主格・所有格・目的格とは?
(3) which は文の内容を先行詞にできる
非制限用法を持つ関係詞のうち、which は「前に出てきた文の内容」を先行詞にできる。
(本当に言葉が出てこないよ。私には珍しいことだけどね。)
→ which が表しているのは、前の文の内容 “I really have no words”。
(郵便投票は天気が悪いときにはとても便利です。実際、11月にはよくあることなんですよね。)
→ which が表しているのは、前の文の内容 “the weather is bad”。
関係代名詞の非制限用法
非制限用法がある関係代名詞は who と which だ。関係代名詞の that や what には非制限用法はないので注意しよう。
who の非制限用法
(午後に同僚のジョンと会う予定なんだ。彼はプログラマーなんだけどね。)
(母は12年前に亡くなったのですが、長く幸せな人生を送りました。)
(私たちは室内装飾の専門家チームですが、メンバーはそれぞれ、異なるテーマに精通しています。)
which の非制限用法
(深刻な状況がないよう願っていましたが、とにかくそれは起こってしまった。)
(私たちのアプリは、ここでダウンロードしてもらえるのですが、あなたがバランスの取れた栄養プランを立てるのをサポートします。)
(毎日それで仕事をしているんだけど、私のノートパソコンは新しいバッテリーが必要みたい。)
(本当に言葉が出てこないよ。私には珍しいことだけどね。)
(郵便投票は天気が悪いときにはとても便利です。実際、11月にはよくあることなんですよね。)
関係副詞の非制限用法
非制限用法がある関係副詞は when と where だ。関係副詞の why と how には非制限用法はない。
when の非制限用法
(10月は、日本では葉が赤くなるのですが、とても美しい月です。)
(1月のその日は、彼女が到着した日なのだが、とても寒かった。)
where の非制限用法
(日本に10年間住んでいますが、そこでは銃で撃たれる心配をする必要がありません。)
(金星は、表面温度は450℃を超えるのだが、太陽の周りを224日で公転する。)
さいごに|非制限用法も制限用法も、文構造は同じ
関係詞の非制限用法には、既知の名詞(先行詞)について補足説明をするという働きがあるが、関係詞節の中の文構造は制限用法のときと同じだ。
非制限用法をマスターするための準備として、関係代名詞や関係副詞の基本をしっかりと押さえておこう。