関係代名詞・関係副詞の違いをマスターする2つのポイント

英文法関係詞
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関係代名詞と関係副詞の違いは、その言葉が関係詞節の中で「代名詞」として使われるのか「副詞」として使われるのかだ。

ここでは、それぞれの特徴を確認した上で、関係代名詞と関係副詞の違いと見分け方をマスターしていこう。

表面的な丸暗記だと、

・先行詞が place だから、関係副詞 where を使う(×)
・先行詞が reason だから、関係副詞 why を使う(×)

といった間違いに繋がりやすいので、注意が必要だ。

CONTENTS

基本の確認|先行詞と関係詞節

関係代名詞と関係副詞の違いを理解するための準備として、まずは「先行詞」や「関係詞節」について、簡単に確認しておこう。

多くの学習者を見ていると、「関係詞」と「関係詞節」を混同していることもあるので、注意が必要だ。

なお、「そこはバッチリ!」という場合には、次の「3つの関係代名詞」に進んでも大丈夫だ。

先行詞とは?

先行詞とは、関係詞(関係代名詞や関係副詞)をキッカケにして説明される(修飾される)名詞のことだ。

I have a friend who loves cooking.

(料理好きの友達がいるんですよ。)

先行詞:friend

関係詞節とは?

関係詞節とは、関係詞(関係代名詞や関係副詞)が作るSVのカタマリ(節)のことだ。

I have a friend who loves cooking.

(料理好きの友達がいるんですよ。)

関係詞節:who loves cooking

こうした基礎を踏まえて、関係代名詞と関係副詞の特徴をそれぞれ見ていこう。

3つの関係代名詞

関係代名詞は関係詞節の中で「代名詞」として働く言葉で、基本的なものに who, which, that の3つがある。

※他にも、関係代名詞 what複合関係代名詞 whoever などもあるが、関係副詞との違いを理解する上では、who, which, that の3つを押さえておけば大丈夫だ。

ここでは、関係代名詞( who, which, that )が「代名詞」の一種だということを腑に落とすために、2つのSVを関係代名詞を使って繋ぐ(関係詞節を組み立てる)というプロセスを見ておこう。

1. 関係代名詞 who

関係代名詞 who は先行詞が「人」のときに使えるものだ。

I have a friend. + He/She loves cooking.

↓ 代名詞 He/She が関係代名詞 who に姿を変えて……

I have a friend who loves cooking.

(料理好きの友達がいるんですよ。)

※関係代名詞 who は関係詞節の中で代名詞( loves の主語S)になっている。

2. 関係代名詞 which

関係代名詞 which は先行詞が「物(人以外)」のときに使えるものだ。

I love the cakes. + He bakes them specifically for me.

↓ 代名詞 them が関係代名詞 which に姿を変えて……

I love the cakes which he bakes specifically for me.

(彼が私のために焼いてくれるケーキが好きなの。)

※関係代名詞 which は関係詞節の中で代名詞(他動詞 bakes の目的語O)になっている。

3. 関係代名詞 that

関係代名詞 that は先行詞が「人」でも「物」でも使えるものだ。

The chef is known for his Japanese dishes. + They hired him.

↓ 代名詞 him が関係代名詞 that に姿を変えて……

The chef that they hired is known for his Japanese dishes.

(彼らが雇ったシェフは日本料理で有名だ。)

※関係代名詞 that は関係詞節の中で代名詞(他動詞 hired の目的語O)になっている。

なお、関係代名詞の省略や which と that の違いなどについては、必要に応じて以下のページで学んでおこう。

- 詳しく学ぶ -

4つの関係副詞

関係副詞は関係詞節の中で「副詞」として働く言葉で、基本的なものに when, where, why, how の4つがある。

ここでも、関係副詞( when, where, why, how )が「副詞」の一種だということを腑に落とすために、2つのSVを関係代名詞を使って繋ぐ(関係詞節を組み立てる)というプロセスを見ておこう。

1. 関係副詞 when

関係副詞 when は「時」を表す副詞が姿を変えたものだ。

I remember the day. + We first met then.

↓ 副詞 then(そのとき)が関係副詞 when に姿を変えて……

I remember the day when we first met.

(私は私たちが初めて会った日のことを覚えている。)

2. 関係副詞 where

関係副詞 where は「場所」を表す副詞が姿を変えたものだ。

This is the house. + We grew up here.

↓ 副詞 here(ここで)が関係副詞 where に姿を変えて……

This is the house where we grew up.

(これは私たちが育った家です。)

3. 関係副詞 why

関係副詞 why は「理由」を表す副詞句 for the reason(その理由で)が姿を変えたものだ。ただ、関係副詞 why はカジュアルな場面では省略する傾向にある。

She didn't explain the reason. + She was late for that reason.

↓ 副詞句 for that reason が関係副詞 why に姿を変えて……

She didn't explain the reason why she was late.

(彼女は遅れた理由を説明しなかった。)

4. 関係副詞 how

関係副詞 how は「方法」を表す副詞句 in the way(その方法で)が姿を変えたものだ。ただ、how と way は同時には使わないので、必ずどちらか一方が省略される。

This is the way. + I keep my weight down in this way.

↓ 副詞句 in this way が関係副詞 how に姿を変えて……

This is (the way) how I keep my weight down.

(これが私が体重を保っている方法です。)

- 詳しく学ぶ -

関係代名詞と関係副詞の2つの違い

ここまでを踏まえると、関係代名詞と関係副詞の違いは、次の2つにまとめることができる。

1. 品詞が違う
2. 後ろの文構造が違う

どちらも大切な視点なので、一つずつ確認していこう。

1. 品詞が違う

関係代名詞が「代名詞」の一種なのに対して、関係副詞は「副詞」の一種だ。それぞれ、関係詞節の中の文構造に注目しながら、品詞の違いを確認しよう。

関係代名詞は「代名詞」

This is the house which we bought.

(これは私たちが買った家です。)

※関係詞節に注目すると、関係代名詞 which は他動詞 bought(を買った)の目的語O(代名詞)になっている。

we:主語S
bought:動詞V(他動詞)
which:目的語O(代名詞)

関係副詞は「副詞」

This is the house where we grew up.

(これは私たちが育った家です。)

※関係詞節に注目すると、関係副詞 where は自動詞 grew up(育った)を修飾する修飾語M(副詞)になっている。

we:主語S
grew up:動詞V(自動詞)
where:修飾語M(副詞/そこで → 育った)

2. 後ろの文構造が違う

本質的には「1. 品詞が違う」と同じことだが、関係代名詞の後ろには「不完全文」が続くのに対して、関係副詞の後ろには「完全文」が続く。

※不完全文:文型が未完成の文(SやOがない、など)
※完全文:文型が完成している文

関係代名詞の後ろは「不完全文」

This is the house which we bought.

※ “we bought” は他動詞 bought(を買った)の目的語Oがない不完全文

関係副詞の後ろは「完全文」

This is the house where we grew up.

※ “we grew up” は自動詞 grew up(育った)を使った完全文

こうした「品詞の違い」と「文構造の違い」に注目しながら、次の練習問題を通して、関係代名詞と関係副詞を見分けられるようにしていこう。

また、ここまで読んだあなたは、関係代名詞と関係副詞の違いを理解するためには、「自動詞と他動詞の違い」が重要だと気付いたかもしれない。

自動詞と他動詞の違いについては、以下のページの動画でしっかりとマスターしておこう。

関係代名詞と関係副詞の見分け方

関係代名詞と関係副詞を見分ける上では、関係詞節の中の文構造(不完全文か? 完全文か?)に注目しよう。

「先行詞の意味から関係副詞を選んでしまう」というのはよくある間違いなので、注意が必要だ。

練習1. when vs. which

The season [ *** ] I find most beautiful is spring.

私がもっとも美しいと思う季節は春です。

a. when / b. which

find が第5文型(SVOC)を作る他動詞(OがCだと思う、気付く)なので、“I find most beautiful” は不完全文。他動詞 find の目的語Oが必要なので、代名詞の働きを持つ関係代名詞 which が適切

「先行詞が season(時)だから、when だ!」と安易に判断しないよう気を付けよう。

練習2. where vs. which

The restaurant [ *** ] we visited last night had very delicious seafood.

私たちが昨晩訪れたレストランには、美味しい海鮮料理がありました。

a. where / b. which

visit(を訪れる)が他動詞なので、“we visited last night” は不完全文。他動詞 visited の目的語Oが必要なので、代名詞の働きを持つ関係代名詞 which が適切

「先行詞が restaurant(場所)だから、where だ!」と安易に判断しないよう気を付けよう。

練習3. why vs. which

The reason [ *** ] she gave for being late was getting stuck in traffic.

遅刻に対して彼女が述べた理由は、渋滞に捕まったことだった。

a. why / b. which

give(を与える)が他動詞なので、“she gave for being late” は不完全文。他動詞 gave の目的語Oが必要なので、代名詞の働きを持つ関係代名詞 which が適切

「先行詞が reason だから、why だ!」と安易に判断しないよう気を付けよう。

さいごに|自動詞と他動詞の違いが肝

ここでは、関係代名詞と関係副詞の違いを学んだが、その土台として「自動詞と他動詞の違い」が肝になっていることも見えてきた。

関係詞に限らず、自動詞と他動詞の違いはあらゆる表現・単元の基礎になっているものだ。英語学習で遠回りをしないためにも、以下のページの動画で「自動詞と他動詞の本当の違い」をしっかり確認しておこう。

ここまで読んだあなたに
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