not so much A as B(AというよりもB)をマスター|言い換えも確認
not so much A as B は as ... as 構文(原級比較)の否定文で、「AというよりもB」という意味だ。
AとBを逆にして覚えてしまいがちな表現だが、ここでは、as ... as 構文の基礎と照らし合わせながら、not so much A as B の意味や使い方を整理していこう。
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基本の確認|as ... as 構文の否定文
not so much A as B(AというよりもB)のニュアンスを掴むために、まずは as ... as 構文の否定文について確認しておこう。
「 as ... as 構文はバッチリ!」という場合には、次の「 not so much A as B の意味」に進んで大丈夫だ。
1. 前の as は副詞(同じくらい)
2. 副詞の as が so(それほど)になることもある
3. 比較級っぽい意味になる(〜と比べてそれほど…ない)
not so much A as B(AというよりもB)の much(十分に)は副詞なので、ここでは副詞の fast(速く)を使った as ... as 構文の否定文を見てみよう。
私は同僚と比べると、同じくらい(それほど)速くは入力できない。
※後ろの as は接続詞(〜するのと比べて)で、比較の対象を表している。
このように、as ... as 構文の否定文は「それほど…ない」という意味になり、ニュアンスとしては比較級のような感じになる。
また、否定文では副詞の as(同じくらい)が so(それほど)に変わることもあるが、そちらはフォーマルな(古風な)印象だ。
こうしたポイントを踏まえて、not so much A as B(AというよりもB)の意味と使い方を抑えていこう。
なお、as ... as 構文の基礎については、必要に応じて以下のページで学んでおこう。
not so much A as B の意味
not so much A as B が「AというよりもB」という意味になるのは、それが as ... as 構文の否定文だからだ。
副詞の as(同じくらい)が so(それほど)に姿を変えているので、as ... as 構文の否定文だと気付きにくいかもしれないが、まずは普通の as ... as 構文の否定文と同じように、not so much A as B を使った英文を直訳した上で、和訳を整えてみよう。
[直訳]彼女はパートナーであるのと比べて、それほど十分に上司ではない。
↓ 自然な日本語に言い換えると……
彼女は上司というよりもパートナーだ。
このように、「AというよりもB」は as ... as 構文の否定文の直訳を言い換えたものだとわかる。
訳し下げするとAとBを間違えにくい
なお、「AというよりもB」なのか「BというよりもA」なのかが覚えにくいかもしれないが、副詞の so(それほど)や接続詞の as(〜するのと比べて)に注目しながら訳し下げをすると、「AというよりもB」という意味だとすぐにわかる。
↓ 訳し下げする(前から訳す)なら……
彼女はそれほど上司ではないよ、パートナーであるのに比べて。
=彼女は上司というよりもパートナーだ。
このように、not so much A as B(AというよりもB)は、文法的にも意味的にも、Aを少し否定した上で、Bを肯定する表現になっている。
not so much A as B の例文
not so much A as B(AというよりもB)を使うと、例えば次のような表現ができる。
(彼はマネージャーというよりもリーダーだ。)
(怒っているというより、落胆しているの。)
(その犬は攻撃的というよりも用心深い。)
(この料理は辛いというより風味豊かだ。)
(義務というよりも情熱で仕事をしている。)
not so much A as B の言い換え
not so much A as B(AというよりもB)が少し難しく感じる場合には、
B rather than A(AというよりもB)
B more than A(AというよりもB)
を使っても大丈夫だ。ただし、AとBが逆になるところには気を付けよう。
= She is a partner rather than a boss. / *rather: むしろ
(彼女はむしろパートナーだよ、上司であるのと比べて。)
= She is a partner more than a boss. / *more: よりいっそう
(彼女はよりいっそうパートナーだよ、上司であるのと比べて。)
さいごに|基礎を理解すれば丸暗記は不要
ここでは not so much A as B(AというよりもB)について、as ... as 構文の否定文と関連付けながら学んだ。
読解力や表現力に繋がる文法力を身に付けるためには、単なる丸暗記ではなく、「なぜそうなるのか?」に注目しながら英文法(語順のルール)を学んでいこう。
なお、「英文法の学び方がわからない」という場合には、当サイトの無料動画「暗記のいらない英文法(全31回)」もお役に立てると思うので、このページと併せて学んでおこう。