「spend time doing」の「doing」は、動名詞か?現在分詞か?

英文法動名詞
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動名詞ではないのか-2

今日は、英語の文法力をよりいっそう鍛えるために、動名詞に関する2つの構文をご紹介しよう。

spend time doing/~するのに時間を費やす
have difficulty (problem) doing/~するのに苦労する

どうしてこの2つの表現を同時に紹介するかというと、ある同じ本質を持つ表現だからだ。

いつも言っていることで、耳にオクトパス博士かも知れないが、構文というのは単に意味を暗記しても仕方がない。英文の読解にも活かせる論理的な思考を、並行して勉強することにしよう。

今日の話をしっかりと聞いてもらえれば、英文法の勉強において、いったい何を意識すればよいのかを理解してもらえるだろう。

1. それは本当に動名詞なのか?

動名詞ではないのか

I don’t spend time thinking of the past.
私は時間をかけて過去のことを考えたりはしない。

確かに、過去は変えられない。選ぶことができるのは未来だけだ。

さて、早速本題だが、名詞timeの後ろのthinking of the pastの品詞は何だろうか?

spendというのは「を費やす」という他動詞だが、その意味から推測するに、目的語Oを1つ取りさすれば満足しそうな他動詞である。

I spent ten dollars.(○)
私は10ドル使った。

目的語Oを1つ取るだけで満足しそうな他動詞、つまり、第3文型SVOを作る他動詞ということだ。

そうすると、今回のthinking of the pastを、何の理由もなく「名詞(つまり動名詞)」だと考えるのは、少々強引ではないだろうか。第3文型SVO直後に、もう1つ名詞が続いていることになってしまう。

動名詞ではないのか-2

2. ではthinking of the pastは、現在分詞なのか?

確かに、第3文型SVOの後ろには、基本的に名詞は置かれない。置かれるとすれば修飾語のMで、そして修飾語Mとして働く品詞は「形容詞」or「副詞」だ。(何かを修飾する働きを持っているのは、「形容詞」か「名詞」ですよね。)

そこで、まずは先ほどのthinking of the pastが「形容詞(つまり現在分詞)」ではないかと考えることになる。

(同じdoingという形でも、現在分詞は動詞の意味を備えた「形容詞」、動名詞は動詞の意味を備えた「名詞」なのだ。)

形容詞は、名詞を修飾する働きを持つ。すると、thinking of the pastを直前のtimeにかけて訳すことになるが…

I don’t spend time (← thinking of the past).
「過去のことを考える ⇒ 時間」を費やさない。

実はこの考え方、かなりのリスクを伴っている。訳した日本語を見ると一見正しくも思えるが、現在分詞が名詞を修飾するときには「ある視点」を持っておくことが重要なのだ。

3. 現在分詞に修飾される名詞は「意味上の主語」

現在分詞の意味上の主語

I saw a shooting star.
私は流れている星を見た。
It was an exciting game.
それは人をワクワクさせる試合だった。

確かに、こういった現在分詞では、その意味が進行(~している)なのか能動(人を~させるような)なのかが最重要事項である。shooting(流れている)は「進行」の意味を持ち、exciting(人を興奮させるような)は「能動」の意味を持つ。

どうして同じ現在分詞なのにこういった違いが生まれるのかは、元の動詞の違いに由来していた。ここでのshootは「光る・勢いよく動く」という意味の自動詞で、exciteは「を興奮させる」という意味の他動詞だ。

参考:なぜ自動詞・他動詞が区別できないと、英語の勉強が無駄になるのか?

自動詞の意味を備えた現在分詞
⇒ 進行(~している)
他動詞の意味を備えた現在分詞
⇒ 能動(人を~させるような)

確かにこの区別は、現在分詞を扱う上での最重要ポイントと言える。

けれども、そちらばかりに気を取られてしまうと、その次に重要なポイントを見失ってしまう。今回の例で言うと、shooingとexcitingの「共通点」がそれにあたる。

「流れている ⇒ 星(意味的に主語)」
「人をワクワクさせる ⇒ 試合(意味的に主語)」

いずれの場合も、現在分詞に修飾されている名詞は、その現在分詞の持つ動詞的意味の主語になっているというわけだ。この「共通点」を現在分詞を扱う上での2つ目のポイントとしてしっかりと押さえてほしい。

4. 結論:やはり「動名詞」である

そうすると、やはり今回のthinking of the pastを現在分詞だと考えるのは間違いだということになる。

I don’t spend time (← thinking of the past).(×)
「過去のことを考える ⇒ 時間」を費やさない。

「意味が通ってるから別にいいじゃん!」という人は、意味上の主語を意識できていないということに気付いてほしい。これでは、「時間が過去のことを考える」ということになってしまうのだ。

ではいったい、どのように考えれば「thinking of the past」が「動名詞」だということになるのだろう?

実はこれ、前置詞inが省略された構文である。

今回のような慣用表現(普段よく使う表現)では、前置詞が省略されてしまうことがたまにある。timeの直後に前置詞inを補ってみよう。

I don’t spend time (in) thinking of the past.(○)
過去のことを考えることに対して時間を費やさない。

前置詞inの目的語なので、thinking of the pastは結局のところ動名詞というわけだ。

最初に合わせてご紹介した「S have difficulty (problem) (in) doing/~することにおいて問題を抱えている」という表現も同様に、前置詞inが省略された、動名詞に関する構文である。

まとめ

今日の話は、中には回りくどく感じた人もいるかも知れない。もっとダイレクトに、知識だけを知りたいという気持ちは分からなくもない。

けれども、「spend time doingのdoingは、現在分詞じゃなくて動名詞だから、覚えておいてね!」と、単に事実を述べることに、いったいどれだけの価値があるだろうか?事実の羅列はそれ自体正しくはあるが、人間をクリエイティブな方向へ向かわせることはない。

「考える人」になることで、構文の意味に加えて、

・現在分詞の意味上の主語を考える
・慣用表現ではたまに前置詞が省略される

ということも勉強できるのだ。

思考を働かせ、行動に移し、豊かな人生を送ってほしい。

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