【例文満載】“I wish 仮定法” の使い方|would はいらないの?
“I wish SV(〜すればなあ・〜ならいいのに)” は事実に反する願望(実現する可能性の低い願望)や後悔を表す表現で、仮定法と一緒に使うものだ。
ここでは、仮定法の基本を確認した上で、豊富な例文を交えて “I wish 仮定法” の使い方を学んでいこう。
CONTENTS
確認:仮定法の基本
仮定法とは「事実に反すること」を表す動詞Vのことで、大きく分けると仮定法過去と仮定法過去完了の2つがある。
・過去の事実に反する動詞V
・主節では “would have done / could have done” を使う
・if 節では “had done / had been” を使う(★)
★正確には、if 節では「推量を表す will(〜だろう)の過去形 would 」は省略されるため、仮定法過去は “did / were” 、仮定法過去完了は “had done / had been” という形になる。「可能性を表す can(〜できる)の過去形 could 」は if 節の中でも省略されないので、if 節の仮定法が “could do / could be” や “could have done / could have been” になることはある。
“I wish 仮定法” のニュアンス
仮定法では、「推量を表す will(〜だろう)の過去形 would 」が省略されるのは「 if 節の中」というのが原則だが、“I wish ...” の後ろでは would を省略した仮定法がよく使われる。
これは、“I wish 仮定法” が「 if 節だけを述べたような表現」だからだ。
(海の近くに住んでいればなあ。)
↓ 具体的に表現するなら、例えば……
If I lived closer to the beach, I could enjoy walking along the shore every morning.
(海の近くに住んでいれば、毎朝海辺の散歩を楽しめるのに。)
if 節ではないのに would が省略されるのは、ニュアンスが「 if 節っぽい」からだと理解しておこう。
I wish + 仮定法過去|現在への願望
現在への願望(今〜ならなあ)を表すときには、I wish ... の後ろでは仮定法過去を使おう。先述の通り、ニュアンスとしては if 節に相当するので、使うのは would を省略した仮定法過去( did / were )だ。
(海の近くに住んでいればなあ。)
(本を読む時間がもっとあればなあ。)
(もっとフランス語が流暢ならいいのに。)
coud を使った仮定法過去
なお、普通の if 節でも同様だが、I wish ... の後ろで could を使うことはある。
(多言語を流暢に話せたらいいのに。)
(どこに鍵を置いたか思い出せたらいいのに。)
(彼らが対話の重要性を理解できればなあ。)
if 節の中(やそれに相当する I wish の後ろ)で省略されるのは、あくまでも「推量を表す will(〜だろう)の過去形 would 」ということだ。
I wish + 仮定法過去完了|過去への願望
過去への願望(あのとき〜だったならなあ)を表すときには、I wish ... の後ろでは仮定法過去完了を使おう。ここもニュアンスとしては if 節に相当するので、使うのは would を省略した仮定法過去完了( had done / had been )だ。
(別の道を通っていれば、渋滞を避けられたのに。)
(家を出る前に傘を入れておけばよかった。)
(野菜を切るときにもっと注意していればなあ。)
could を使った仮定法過去完了
“I wish + 仮定法過去” と同様に、“I wish + 仮定法過去完了” でも could を使うことはある。
(あなたのパーティーに参加できていればなあ。)
(あなたが旅行に参加できていればなあ。)
(そこにいられれば、あなたが引っ越すのをお手伝いできたのに。)
I wish + S would do|可能性の低い未来への願望
仮定法過去や仮定法過去完了ではなく、可能性の低い未来を表すときには、if 節の中(やそれに相当する I wish の後ろ)でも would は省略しない。「推量を表す will(〜だろう)の過去形」ではなく「未来を表す will の過去形」だからだ。
(ピクニックのために明日の天気が晴れたらいいのに。)
(植物がもっと早く育ったらいいのに。)
(彼女がすぐに折り返してくれたらいいのに。もう丸一日待ってるよ。)
補足:仮定法は「時制の一致」を受けない
また、仮定法はいわゆる「時制の一致」を受けないので、“I wish ...” が “I wished ...” になっても「動詞の形」は変わらない。
↓
I wished I lived closer to the beach.
(海の近くに住んでいればなあと思った。)
↓
I wished I had been more careful when I was cutting the vegetables.
(野菜を切るときにもっと注意していればなあと思った。)
さいごに|次は “as if SV”
ここでは、仮定法を使った表現として “I wish ...” の使い方を学んだ。
仮定法を使った重要表現は他にもあるので、余力があれば “as if SV(まるで〜するように)” についても学んでおこう。