英文法のメールセミナー(9)真主語を探せ!
真主語を探せ!
ウィンカーが反対側にあるから、左ハンドルの車は紛らわしい。
文頭の主語 It が代名詞でない場合、次に考えるのは形式主語(仮主語)の可能性です。
英語では、文単位でもパラグラフ単位でも、主張や結論をパッと先に述べて、その後に修飾語や理由・根拠を述べる傾向がありますよね。
ここで、主語Sがあまりにも長くなると、その分、述語動詞Vを伝えるのが遅れてしまいます。
[長~~~い主語S]+ようやくV
ほら、こうなりますよね?
そして、話し手や書き手の主張や結論を決定づけるのは、もちろん述語動詞Vです。主語Sをいくら聞いたところで、その人が言いたいことはわかりません。
「賛成です」
「反対です」
「上手くいった」
「ありえない」
このように、述語動詞Vを聞かないことには、その人の主張や結論・意見というものはわからないのです。述語動詞V(結論)がなかなか出てこない言い回しというのは、まどろっこしいんですよね。
それを避けるために、英語では主語Sが長くなりそうなときに、形式主語 It というものが使われます。
今回の英文でも、
It’s annoying driving a left-hand drive car as its winker is on the opposite side.
こうして形式主語 It を使うことで、「 is annoying なんだよ!(紛らわしいんだよ!)」という結論・主張を早めに伝えることができています。
形式主語 It というものは、それ自体には意味合いはなく、
・主語Sの場所を表すもの
・述語動詞Vを早めに伝えるためのもの
だということです。
そして、その後で、「何が」紛らわしいのかという主語Sを表現するのですが、これを「真主語」と言います。
つまり、長〜〜〜い主語ですね。
真主語になるものは英語では4つあるのですが、4つとも頭に入っていますか? 少し時間を取るので、リラックスして思い出してみてください。
・
・
・
・
・
・
・
そう、形式主語 It に代入できる真主語には、
名詞的用法の不定詞
動名詞
that 節
間接疑問文
の4つがありました。
なので、文頭の It が形式主語(仮主語)だと考えたなら、これら4つのどれかを探しましょう。今回なら動名詞がありますね。
It’s annoying driving a left-hand drive car as its winker is on the opposite side.
ということで、文全体の形は次のように考えられます。
It:形式主語
is annoying:述語動詞V
driving a left-hand drive car:真主語S
as its winker is on the opposite side:修飾語M(副詞節)
ちなみに、修飾語M(副詞節)である as its winker is on the opposite side がどこを修飾しているかも重要ですね。「ウィンカーが反対側にあるから ⇒ 紛らわしい」ということなので、is annoying を修飾しています。ですので、as its winker is on the opposite side は動名詞 driving ~ には含めない、というわけです。
※土曜日配信:英文法のメールセミナー
森の動画講義で英文法(語順のルール)を
学びたい場合はコチラ >>