現在完了形とは? 3つの用法の違いと共通点を徹底解説
現在完了形とは「現在と繋がりのある過去の事実」を表す動詞Vのことで、“have finished(終えたので今は……)” や “have lost(無くしたので今は……)” のように「 have + 過去分詞」という形で表現する。
ここでは、現在完了形の3つの用法を学ぶとともに、私たち日本人にとって「なぜ現在完了形がややこしく感じるのか?」も紐解いていこう。
CONTENTS
現在完了形は「現在の状況や気持ち」を伝えている
現在完了形には、
1. 継続(〜してきたので今は……)
2. 経験(〜したことがあるので今は……)
3. 完了・結果(〜し終えたので今は……)
という3つの意味があり、最初はややこしく感じるかもしれない。
そこでまずは、3つの意味の共通点として、どれも過去の事実を引き合いに出して「現在の状況や気持ち」を暗に伝えているというところを押さえておこう。
(今週は毎日運動してるんだ。)
↓ だから例えば……
(今、体調がすごくいい!)
(そのレストラン、行ったことがないんだ。)
↓ だから例えば……
(今、すごく行ってみたい!)
(夕食はもう食べたんですよ。)
↓ だから例えば……
(今はもう、お腹いっぱい。)
このように、現在完了形を使うときには、気持ちの重心が「現在」にあるということを押さえておこう。
だから「過去を表す副詞」は使わない
現在完了形を使うときの注意点として、よく挙げられるのが「一緒に使わない副詞」だ。
(過去を表す副詞)
yesterday, two years ago, last week, then, on Sunday, in 2010 など
これらは丸暗記することもできるが、実はどれも「過去を表す副詞」だ。
現在完了形が「現在の気持ちや状況を表している」というポイントを押さえておけば、こうした「過去を表す副詞」を一緒に使わないことは、感覚的にも理解できそうだ。
現在完了形の3つの意味
現在完了形には次の3つの意味がある。もちろんどの場合も、言葉で表している内容は過去のことだが、気持ちの重心は「現在」にあるので、そこは忘れないようにしよう。
1. 継続(〜してきたので今は……)
(今月はたくさん雨が降っている。)
(妹はニューヨークに住んで一年になります。)
(3年ほどスペイン語を勉強しています。)
※その動作が今後も継続しそうな場合は、今回のように現在完了進行形( have been studying )を使う傾向にある。
2. 経験(〜したことがあるので今は……)
(彼女は今年はもう6ヶ国も訪れています。)
(その映画、一度も観たことがないんですよ。)
(またスマホを無くしちゃった。)
3. 完了・結果(〜し終えたので今は……)
(ちょうど終わったよ、今日の宿題。)
(ドリンクは頼んだから、それを待っているところだよ。)
(クライアントにメールを送ったところです。)
現在完了形がわかりにくい2つの理由
私たち日本人にとって現在完了形がわかりにくく感じるのは、次の2つの理由からだ。
1. 日本語にはない表現だから
英語では、
単なる過去の事実 → 過去形
現在の状況に繋がる過去の事実 → 現在完了形
という動詞の使い分けがあるが、日本語にはそうした使い分けがなく、どちらの場合も同じ「〜した」という言い回しが使われる。
携帯を「なくした」けど、幸い連絡先のバックアップはしていました。
→ 過去の事実を言っているだけなので、英語では過去形( lost )を使う。
携帯を「なくした」ので、見つけるまでメッセージを確認できません。
→ 現在の状況に言及しているので、英語では現在完了形( have lost )を使うのが適切。
このように、日本語には「単なる過去の事実」と「現在の状況に繋がる過去の事実」を区別する言い回しがない。これが現在完了形がわかりにくく感じる1つ目の理由だ。
2. 現在完了形を過去形で代用することがあるから
また、ここは盲点になりがちだが、実はカジュアルな英語では「現在完了形」を「過去形」で代用するケースがよくある。
↓ カジュアルな場面だと……
I already ate breakfast.
↓ カジュアルな場面だと……
Did you ever go to Paris?
これも、現在完了形と過去形の違いがわかりにくくなる理由の1つだろう。
さいごに|共通点に注目すると英文法はシンプルになる
現在完了形では、継続(〜してきた)・経験(〜したことがある)・完了(〜し終えた)といった3つの意味が注目されがちだが、共通しているのは、「現在と繫がりのある過去の事実」つまり「現在の状況や気持ち」を表しているということだ。
こうした共通点に注目すると、英文法(語順のルール)はすごくシンプルになるので、ぜひ他の単元や表現を学ぶときにも「違い」だけなく「共通点」にも注目してみてほしい。