また丸暗記してない?It was not until ~ that …は強調構文

英文法の勉強をある程度進めていくと、それなりに骨のある表現に出会うことが多くなる。
“It was not until ~ that …” もその一つで、これは「~して初めて…した」という意味なのだが、まあ覚えにくくて仕方がない。
今日は、これが一体どういう表現なのかを文法的に見て行くことで、知識と考え方の両方を手に入れよう。
強調構文で強調できる3つのもの
タイトルにも書いた通り、”It was not until ~ that …” は強調構文という形になっている。
詳しくは以下の記事にてお話ししているのだが、強調構文で強調できるものは全部で3つ。
1. 主語S
2. 他動詞の目的語O
※前置詞の目的語は強調できない
3. 副詞(または副詞句・副詞節)
だ。
※参考記事:まだ強調構文で消耗してるの?形式主語構文との2つの違い
問題の “It was not until ~ that …” は、これらのうちの「3. 副詞句・副詞節」が強調されたものだ。
強調構文の作り方
強調構文の作り方についても、先ほどの参考記事の中で詳しくお話ししている。ここでは簡単に確認しておくことにしよう。
以下が、強調構文を作るためのテンプレートだ。
It is (強調したい部分) that (残りの部分)
例えば、「His efforts made the meeting with Morgan possible」という文の主語Sを強調するのなら、こうなる。
His efforts made the meeting with Morgan possible.(元の文)
彼の努力がモーガン氏との会合を可能にした。
↓
It was his effort that made the meeting with Morgan possible.(強調構文)
モーガン氏との会合を可能にしたのは彼の努力だった。
この流れを参考に、”It was not until ~ that …” に迫って行こう。
”It was not until ~ that …” は副詞句が強調されている
次の文を見てほしい。
I didn’t notice the bug of the app until yesterday.
昨日までそのアプリの不具合に気付かなかった。
(昨日になって初めてそのアプリの不具合に気付いた。)
先ほどと同じように、この文の副詞句「until yesterday」を強調構文で強調すると、どうなるだろう?
I didn’t notice the bug of the app until yesterday.
↓
It was until yesterday that I didn't notice the bug of the app.(△)
ここまではお分かりいただけると思う。
あとは仕上げとして、打ち消しの副詞notを先頭の方に持って来よう。
ここも知識として蓄えてほしいところなのだが、英語には否定語をなるべく早く言おうとする傾向がある。notを早めに言う方が、否定的な意見なのか、肯定的な意見なのかを明確に伝えられるからだ。
I didn’t notice the bug of the app until yesterday.
↓
It was until yesterday that I didn't notice the bug of the app.(△)
↓
It was not until yesterday that I noticed the bug of the app.(◯)
私がそのアプリの不具合に気付いたのは、昨日までではなかった。
⇒ 昨日になって初めてそのアプリの不具合に気付いた。
こうして出来上がったのが、"It was not until ~ that …"(~して初めて…した)という表現だ。
さいごに大切なこと
いかがだっただろう。
動画講義などでもよく言っていることだが、やはり構文の意味を暗記するだけでは、脆弱な知識がひとつ増えるにすぎない。
今日ここで勉強したように、「どうしてそのような意味になるのか?」という視点で勉強すれば、単発的な知識だけでなく、文法的な考え方そのものが自然と身に付いていく。
キミがこれまで英文法の学習に苦労して来たなら、ぜひ真似してもらいたい勉強法だ。
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