英文法のメールセミナー(20)能動形なのに受け身の意味になる ing
能動形なのに受け身の意味になる ing
動名詞を扱う上で重要なことの一つに、「意味上の主語を意識する」というものがあります。動名詞が表している動作を誰が(何が)行うのかを意識する、ということですね。
例えば、次の英文の動名詞の意味上の主語は誰でしょう?
私たちはチームの未来について話すのを楽しんだ。
動名詞 talking の意味上の主語は、文頭の we(私たち)ですよね。このように、普通は、文頭の主語Sは「動名詞の意味上の主語」になります。
けれどもここで、注意すべき例外が。
次の英文の文頭の主語(my phone)は、動名詞(repairing)の意味上の主語になっているでしょうか?
私の電話は修理する必要がある。
答えは、No ですよね。my phone が repairing の意味上の主語だとしたら、「電話『が』修理する」ということになってしまいます。
では、どういうことなのか?
実は、need と require の後ろにやってくる動名詞は、見た目は能動形でも意味は受け身になるんです。電話は「修理される」側なので、文法的には
My phone needs being repaired.(×)
のように、受動形の動名詞(being repaired)が正しいように思えますが、need と require の後ろに続く動名詞は特別なんです。見た目は能動形でありながら、受動(~される)の意味を持つのです。
My phone needs repairing.(○)
My phone needs being repaired.(×)
文法問題としても扱われやすいですし、need や require を使うときにも注意しましょう。
ただ、ある意味では、
My phone needs being repaired.(×)
と表現してしまった場合には、動名詞と意味上の主語のつじつまをよく考えた正しい間違いだと言えると思います。
ちなみに、need は不定詞を目的語Oにとることもできますが、その場合には受動形の不定詞がきます。
My phone needs repairing.(○)
= My phone needs to be repaired.(○)
こちらも併せて覚えられるといいですね。
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