英文法のメールセミナー(3)不定詞と動名詞の違い

メールセミナー
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名詞的用法の to do と動名詞 doing の違い

I forgot to close the faucet (the tap) and the hot water flooded the bath.
蛇口を閉め忘れて、お湯がお風呂から溢れちゃった。

 
 
先週の英文法のメールセミナーで、「名詞的用法の to do と動名詞 doing の違いは、いつのことをイメージしているかだ」とサラッと書いたところ、「どういうことですか?」という質問が何名かの方からありました。
 
 
自己解決するスキルを訓練するために質問を流してもよかったのですが、まだ序盤かなとも思うので、今日は、
 
 
・名詞的用法の不定詞 to do
・動名詞 doing
 
 
の違いについてお話しします。
 
 
まず、違いの前に共通点の確認ですが、この2つの共通点は何だと思いますか?
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
そう、共通点は、どちらも「動詞の意味を持った名詞」だということですね。
 
 
名詞的用法の不定詞 to do:~すること
動名詞 doing:~すること
 
 
です。
 
 
一方で両者の違いですが、
 
 
名詞的用法の不定詞 to do
:これから先(未来)に向かうイメージ
 
 
動名詞 doing
:現在や過去っぽいイメージ
 
 
という違いがあります。
 
 
to do, doing という言葉の「綴りや響き」に注目すると、こうした違いが生まれる理由を、感覚と論理の両方から理解できると思います。
 
 
不定詞の to という言葉そのものは、品詞や働きは違えど、前置詞の to(に向けて)として使うこともありますよね。その、前置詞 to を使うときの「どこかに向けている」というイメージが、不定詞の to を使うときにも残っているので、
 
 
名詞的用法の不定詞 to do
:これから先(未来)に向かうイメージ
 
 
ということになります。
 
 
一方で、動名詞で使われる ing という言葉は、これも品詞や働きは違えど、「~している」という意味を表すときにも使いますよね。
 
 
※「~している」という意味の doing は現在分詞
 
 
現在分詞 doing(〜している)を使うときのイメージが、動名詞 doing を使うときにも残っているので、
 
 
動名詞 doing
:現在や過去っぽいイメージ
 
 
だということです。
 
 
これを踏まえると、
 
 
forget to do と forget doing の違いも覚えやすいですよね。
 
 
forget to do:
(これから先に〜すること)を忘れる
=~し忘れる 
 
 
forget doing:
(これまでに~したこと)を忘れる
=~したのを忘れる
 
 
こういったことを、
 
 
I forgot to close the faucet (the tap) and the hot water flooded the bath.
蛇口を閉め忘れて、お湯がお風呂から溢れちゃった。
 
 
という表現を見たときに思い出せると、良い学び方をできている証拠なんじゃないかと思います。
 
 
今日の知識・視点をひとり占めするのも良し、誰かとシェアするのも良し、です。ぜひ、あなたが伸ばしたいスキルと関連付けて押さえておいてください。
 
 
それでは、また来週の土曜日には、英文法のメールセミナーをお届けします。
 
 
 
*追伸
 
……, and the hot water flooded the bath.
お湯がお風呂から溢れちゃった。
 
 
お湯がお風呂から「溢れた」と自動詞っぽく書きましたが、ここでの flood は他動詞(を水浸しにする)ですね。
 
 
また、the bath の部分を「お風呂から」と副詞句っぽく表現しましたが、もちろん、the bath は名詞です。
 
 
the hot water:主語S(名詞)
flooded:述語動詞V(他動詞)
the bath:目的語O(名詞)
 
 
こういうのを見ても、「日本語での品詞」と「英語での品詞」が必ずしも同じである必要はないということがわかります。
 
 
ルールや決まりを大切にしすぎる思考習慣のある人は、「英語での名詞は、日本語でも名詞として表現しなくちゃいけない」「日本語の副詞を表現するのなら、英語でも副詞を使わないといけない」と考えてしまって、自分が生み出したぎこちない表現に頭を悩ましている傾向があると感じます。
 
 
※土曜日配信:英文法のメールセミナー

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