英語の準否定語 hardly, scarcely, rarely, seldom と、それらに関連する構文

英文法
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notやnoが純粋な否定語であるのに対して、hardly, scarcelyやrarely, seldomなどは「準否定語」と呼ばれるものだ。これらは「ほとんど~ない」という意味を持ち、

「完全にすべてを打ち消しているわけじゃないけど、まあ否定的な意味だよね」

といった具合で「準否定語」と名付けられている。

今日は、「hardly, scarcelyとrarely, seldomの違い」に触れ、さらにそこから、これらの準否定語に関連する重要構文をご紹介しよう。

hardly, scarcelyは「程度」を打ち消す副詞

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まず最初に、日本語の「ほとんど~ない」という表現には、異なる2通りの意味合いがあることをハッキリさせておこう。次の2つのセリフは何が違うのか、考えてみてほしい。

「私は英語がほとんどわからない
「私はほとんど映画を観に行かない

前者が英語への「理解の深さ」つまり「程度」を表しているのに対して、後者は「回数的なこと」つまり「頻度」を表している。

準否定語のhardly, scarcelyは、この前者にあたる「程度」を打ち消す副詞だ。

I hardly understand English.
私はほとんど英語がわからない。
I can scarcely believe it.
そんなことほとんど信じられない。

なお、hardlyとscarcelyはほとんど同じような意味なので、あまり両者の違いを気にする必要はないだろう。

rarely, seldomは「頻度」を打ち消す副詞

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hardly, scarcelyが「程度」を打ち消す副詞であったのに対して、rarely, seldomは「頻度」を打ち消す副詞だ。

「ほとんど~ない」と訳しても問題はないが、hardly, scarcelyとの違いを明確にするために、rarely, seldomについては「めったに~ない」と訳すようにしておこう。

I rarely cry.
私はめったに泣かない。
Barking dog seldom bites.
吠える犬はめったに噛まない。

こちらも、rarelyとseldomはほとんど同じような意味なので、両者の違いを気にする必要はない。

さて、これらの「hardly, scarcelyとrarely, seldomの違い」については知識的なもので、どちらかと言うと基本事項だ。

続いては、学習の質をさらに高めるために、hardly, scarcelyに関連する重要な構文をご紹介しよう。大学受験やTOEICの文法問題でもよく見かけるものなので、ぜひ吸収してほしい。

hardly, scarcelyに関連する重要構文「~するとすぐに」

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こちらは「~するとすぐに…した」という意味の構文なのだが、厄介なのは、「SがVするとすぐにS’がV’した」なのか「S’がV’するとすぐにSがVした」なのかを非常に覚えにくいというところだ。

結論を言うと、前者のように「SがVするとすぐにS’がV’した」と訳し下げる(前から後ろに訳していく)のが正解だ。

では、いったいどうしてこのような意味になるのかについて説明しよう。

簡単に理解するのであれば、2つの述語動詞VとV’の「時間的な違い」に注目するのがよい。

“had done” という形で表されたVは「大過去」と呼ばれるもので、過去よりもさらに過去のことを表している。うっとうしい話だが、英語では「現在・過去・未来」の3つに加えて、4つ目の時制「大過去」というものがたまに出てくるのだ。

一方で、 “did” は単なる「過去」の動作である。

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キミにも少し考えてもらいたいのだが、「~するとすぐに…した」と言う場合、「~する」と「…した」が表している2つの動作は、どちらが時間的に早く、どちらが時間的に遅いだろうか?





そうだ。「~する」の方が早く、「…した」の方が遅いのだと気が付くはずだ。

~するとすぐに…した
「~する」:時間的に先
「…した」:時間的に後

この2つの動作「~する」と「…した」のちょっとした時間的なズレを、それぞれ “had done”(大過去)と “did”(単なる過去)によって表しているのである。だから “S had hardly (scarcely) done when (before) S’ did.” は「SがVするとすぐにS’がV’した」と訳し下げするのが正しいとわかる。

準否定語 hardly, scarcelyの役割は?

簡単に理解してもらうために、“had done”(大過去)と “did”(単なる過去)の違いに注目したが、実はまだ、準否定語であるhardly, scarcelyや接続詞when, beforeの存在を無視したままだ。

そこで、これらの単語の意味をしっかりと拾い上げ、直訳してみることにしよう。

It had hardly started to rain when frogs began to croak.

“croak” というのは「ガーガー鳴く」という擬音語だ。直訳すると、

「カエルが鳴き始めたときに、ほとんど雨は降り始めていなかった」

ということになる。ただこれだと、かなりわかりにくい表現だ。そこで、次の図を見てほしい。

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図1が表しているのは、「カエルが鳴き始めた時」と「雨が降り始めた時」の時間的な関係だ。この図の場合、「カエルが鳴き始めたときに、ほとんど雨は降り始めていなかった」と言えるだろうか?答えはNoだ。

例文の直訳である「ほとんど雨は降り始めていなかった」というのは、言い換えれば「ちょっとは降り始めていた」ということになるのだが、この図が表しているのは、カエルが鳴き始めたときには、雨はちっとも降り始めていなかったということだ。

ゆえに図1は、今回の例文が意味するところを表現できていない。では続いて、図2はどうだろう?

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こちらも、「カエルが鳴き始めた時」と「雨が降り始めた時」の時間的な関係を表しているわけだが、この図2からは、

「雨が降り始めた時」の方が「カエルが鳴き始めた時」よりもほんのちょっとだけ早い

ということが読み取れる。この図2は、今回の例文 “It had hardly started to rain when frogs began to rain.” の直訳「カエルが鳴き始めたときに、ほとんど雨は降り始めていなかった(ちょっとは降り始めていた)」が意味するところをしっかりと表現できている図だ。

そして、この図2が表している内容をもっとスッキリした日本語に置き換えると、「雨が降り始めるとすぐにカエルが鳴き始めた」という日本語になるわけだ。

このように、 “S had hardly (scarcely) done when (before) S’ did.” の意味は、直訳したものを簡単な図で表現すると、理解しやすい。

なお、hardlyの代わりにscarcelyを用いてもいいし、whenの代わりにbeforeを用いてもよい。scarcelyの場合には必ずbeforeじゃないといけない、というわけではないので誤解されないでほしい。

否定語が文頭に回ると、倒置が起こる

あとは、hardlyが文頭に回ってきた文にも触れておこう。

Hardly had it started to rain when frogs began to croak.

このように、英語では否定語が文頭に回ると倒置が起こる。簡単に言うと、「疑問文の語順になる」ということだ。

「ん?見慣れない文構造だな?」という場合には、否定語が文頭に置かれていて倒置が起こっているということがよくあるので、想定しておこう。

まとめ

いかがだっただろう。今日ご紹介したhardly, scarcelyとrarely, seldomは、いずれも準否定語として重要なものだ。

補足した “S had hardly (scarcely) done when (before) S’ did.” と併せて吸収してもらいたい。

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