海外旅行でタクシーに騙されない5つのポイント/東南アジア編(ベトナム・タイ・マレーシアetc.)

旅行や出張で海外の空港へ到着し、意外に気を使う「タクシー」という名の壁。
国によって乗り方が違うばかりか、タクシーに乗る際の暗黙の了解というものがあったり、知らないと法外な運賃を請求されたりすることも…
みなさん、
知らない間に払い過ぎてませんか?
運転手さん、ほくそ笑んでませんか??
桁一個分ぼったくられてませんか???
「まさか自分はそんな。ちゃんと知らべて行ったし。ないよ。」
って思われた方もいらっしゃると思いますが。とりわけ東南アジアでは日本との物価の差が大きく、円換算するとぼったくられている気がしない額面になってくるので、ついつい払ってしまうということが多くあります。
さらにこちらが日本人とわかると「日本人⇒お金持ち・温厚・素直⇒カモ」になりかねませんのでご注意を。
ではそうならないようにするために、今回は5つのポイントをご紹介したいと思います!
(ライティング・撮影/藤好)
CONTENTS
1. 運賃体系を知る
日本でタクシーに乗る際は手をあげる等して乗り込み、気を付ける事と言えば自動ドアに挟まれないとか、忘れ物がないかとかくらいではないでしょうか(笑)
ちなみに海外のタクシーは自動ドアではないので、いくらドアの前に立っていてもドアは開きませんのでご注意を…念のため、伝えとかないとね。
では海外でタクシーに乗る際に、とりわけ空港から乗る場合には特に以下の点を理解しておいてください。
メーター制かクーポン制か
メーター制は日本でもおなじみ、乗った距離によって運賃が決まります。が!メーターに細工がしてあり、やたらと上がるのが速い、初乗りが異常に高いなど、実際にありえます。
メーターは基本的にシーリング(封)がされており、メーターの横や下にそれを確認できます。パッと見て、この封が切られている場合は指をさしながら、こう言ってみましょう。
The meter is not valid, right?
(そのメーター有効なものじゃないよね?)
It seems that the meter is not qualified.
(そのメーターちょっとおかしい気がするんだけど…)
Sorry, I’ll take another taxi.
(ゴメン、別のに乗るよ)
もっとも、東南アジアのメータータクシーの運転手にこの英語が通じるかわかりませんが…。向こうも慣れっこなので気にする必要はありません。そこは強気に言ってみましょう。
ちなみにバンコクで空港(スワンナプーム空港)から乗る際は、メーターの額面に50bahtsが無条件で追徴されるのでご注意を。
つづいてクーポン制。こちらは日本人にはなじみが薄いかもしれません。空港の到着ロビーにあるタクシー会社のカウンターでクーポンを買って、運転手に渡すシステムです。
マレーシア/クアラルンプール国際空港 第2ターミナル(KLIA2)のカウンター
行先エリアごとに運賃が決められており、そこに乗車人数、荷物の量などを加味して運賃が決まるというもので、少々割高にはなりますがぼったくられる心配がないので安心です。
ただし注意しておきたいのが高速料金。運賃に高速料金(toll)が含まれているのか否かを確認しておく必要があります。それは後部座席の窓に張られている運賃規則をチェックすることでわかります。
Toll fare is not included.
Toll fare is to be paid by passenger.
Toll fare should be paid by passenger.
などといった記載があれば、料金所毎に乗客が支払うことになります。現金を渡して、実際はETCのようなICカードで支払う運転手の方をいらっしゃいます。
クーポン制は少々割高とお伝えしましたが、例えばクアラルンプールと市内を往復する場合、空港から市内へはクーポンタクシーで大体700MYRほどですが、復路の市内から空港へ向かう際はメーター制で1,000MYRを超えて行きますのでご注意ください。
2. 現地での相場を知る
ぼったくられないために、まず大切なのは相場をよく知っておくことです。
そうでないと文句の言いようがないどころか、そもそもぼったくられていることにも気づかずに終わってしまい、帰国して友人などに土産話をしている時に指摘されてやっと気づくということも。
シンガポールなどは、白タク(後述)などにつかまらない限りぼったくられることはまずありません。そういう所では気にしないで済むのですが、例えばベトナム。
何がやっかいかと言うと、ここの通貨「ドン」の桁が異常に多いのです。
水1本買うのにも10,000VNDといったようにゼロが並びます。
さて空港から市内までタクシーに乗るとどれくらいゼロが並ぶでしょーか?
170,000
ゼロの多さに日本人の感覚からすると一瞬ヒヤッとしますが、実際にメーターにはこう表示されます。(VINASUN社)
170
さらに言うと、同じ金額が時にはこう表示されます。(MAILINH社)
1,700.0
だんだん混乱してきましたね~
つまりタクシー会社によって表示の仕方が変わってくるのです。この額面だと機会は少ないですが、例えば次のような場合。
[表示]50.0 = 50,000VND ≒ 275JPY
これを運転手さんにこう言われたらどうですか?
「オッケー、50万ドン、プリーズ」
つまり桁が一個増やされます。
すると皆さん、頭のなかでゼロを数えます。
「1ドンが0.0055ドンだから、5掛けてゼロを一個、二個、三個…2,750円くらいか~思ったより日本より安くないな~」といいながら支払いを済ませております。そして後からぼったくられた事に気づくのですが、まあ払えない額じゃないし、いっか~。となってしまうんですね。
そして同時に運転手の頭にはこうインプットされます。
「やっぱり日本人は払ってくれる」
「次また日本人が来たら…」
もう最悪のループの始まり始まりですね。
今ここで落ち着いて考えれば難しいことではないのですが、想像してみてください。ホーチミンの空港に着きました…
「思ったよりきれいな空港じゃん!」(もちろん。なんせ日本が作った空港ですから。)
「え、なにこれ人多くない?有名人でも来るの?」(なぜか誰を迎えるでもなく出口でただただぼーっと立ってる人が大勢います)
「バイクの数………」
ベトナム/ホーチミンにて
バイクの数が半端じゃないんです。それも2人乗り、3人乗り、時には4人乗りもあり。そ道路や信号も満足に機能しておりませんので、クラクションの大合奏です。そこで優しい日本人はこう考えるのではないでしょうか。
「サッと下りないと迷惑だ!」
初めての土地で緊張している中、支払い時に運転手にまくしたてられ、後ろからクラクション連発されている状況で冷静に計算ができますか?
私は無理でした(笑)
ということで、始めから相場を現地通貨で把握しておくのは有効策です。今はネットでも情報が多くありますので、ガイドブックと併せて活用するようにしましょう。(ちなみにホーチミンでは上記、VINASUNタクシーを愛用してます。)
3. 交渉制タクシー
日本人には難易度が高いのが交渉制のタクシー。空港発となると少ないですが、街中でタクシーを拾うと交渉が必要となるケースが増えてきます。ではその際のコツと注意点を確認しておきましょう。
まずは言い値の半額を投げてみよう!
日本人にとってお金の話を露骨にするのはみっともないといった考えが根底にありますが、現地の人からすればそれも楽しいコミュニケーションの一つ。遠慮せずにまずは言うだけ言ってみましょう。
例えばバンコクで流しのタクシーを拾うと、メータータクシーであってもメーターを使用せず、交渉となることがあります。
日本のように乗り込んでから行先を伝えるのではなく、ドアや窓が半開きの状態で行先を運転手に告げると料金を提示されます。そこで200バーツと来たら、100バーツでどうだ!といったように、まずは半額を返してみるのが手っ取り早い交渉の始め方だと思います。
どうしても折り合わなければ
Sorry I’ll take another taxi.
(ごめん、別の探すよ)
Sorry I can’t afford it.
ごめん、ちょっとお金が足りないんだ…)
と言って去ればOK!
特に観光地でタクシーを拾う場合は足元を見られているケースが多いので、強気で行けばちょっぴり得するかもしれません。
条件は明確に
さて、無事値切ることができて友達3人でタクシーに乗り込みました。しかしそこでもし、交渉があまりにも強引過ぎて(?)、運転手の機嫌を損ねると返って厄介なことになるかもしれません。
着いてから文句を付けてきて、結局高い料金を支払わされることも。そこで間違いなく乗る際に提示された料金で済むよう、いくつか気を配っておくと安心なポイントをご紹介します。
1. 全乗車人数でその料金か?
乗る際に100バーツという話だったのに、降りる時になって300バーツと言われた。運転手の言い分はこう。
「1人100バーツって意味だよ」
こうならないように、出発時にきちんと確認しておきましょう。
Is that fare for all of us?
(その料金は私たち全員で、ですよね?)
Is that fare covers all of us and luggage?
(その料金は私たちと荷物を入れてですよね?)
ただしやはり英語が通じるケースの方が稀なので、ジェスチャーで十分です。3人をぐるっと囲って「100バーツ?」とやった方が伝わるかもしれません。
2. やたらと細かい道を聞いてきたり、話しかけてきませんか?
タイトルの通り、運転中に細かい道を尋ねられたり、渡航歴を聞いてくることで、その土地の習熟度を測り、時に迂回をして追加料金を請求されることがあります。理由はこう。「渋滞がひどいから回り道をした」「工事中で迂回した」など。
そういう時は、もし手元にネット環境があればグーグルマップを見せると良いでしょう。「あなたが行く道はこっちで見てるからね」という釘さしにもなります。
またもしネット環境がなくても、地図を広げて窓の外のきょろきょろ見る仕草を後ろでしているだけでも効果はありますので、不安な方は方法の一手として覚えておいて損はないかもしれません。
3. 行先は紙に書いたものを用意
そうこうしているうちに目的地に到着~…ってどこここ!?なんてことにならないよう、行先ははっきり伝えましょう。
というのも、観光地になると同じ名前の系列のホテルが近接していたり、同じブランドでもエアポートホテルのものと、シティホテルのものがあったりとまぎらわしいです。
そこで誤解を避けるためにも、慣れない土地の場合は紙で行先を示すようにしましょう。
ホテルの予約表、カードキーのケース、ホテルのフロントにあるパンフレットや、住所と行先の名前を手書きにしたものでも構いません。確実に伝わるものを見せながら行先を告げるようにするだけで、誤解を避けることができます。
4. そのタクシー白タクじゃないですか?
皆さん白タクというものをご存知でしょうか。
こちらもやはり日本で目にする機会は少ないのですが、成田空港などではいまだに注意のアナウンスがされていますので、耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
白タクとは営業の許可を得ずに、自営でタクシー業をやっている車のこと。当然トラブルに会う確率は高くなり、最悪の場合だと運賃目当てではなく、乗客の金品が目当てというケースもあります。
ちなみに車が白いわけではないのでご注意を…
ではそういった白タクにつかまらないようにするためには、どこに注意したらよいのか。
乗車場所
空港に到着してタクシーに乗る場合、どこから乗りますか?通常は到着ロビーの階にタクシー乗り場があり、そこから乗る方が多いと思います。当然空港側もそうした人の動線を想定して建物を設計しているわけで、この流れに逆らわなければ大丈夫です。
というのも、上で述べたように、バンコクではまともに空港から乗ると運賃に50バーツ上乗せされることもあり、あえて到着ロビーから乗らずに出発ロビーで乗客を降ろしたばかりのタクシーを捕まえて50バーツを節約するという人もいます。
そうすることで乗客のみならず、運転手も再度到着ロビーへまわり乗客の順番待ちをする必要がなくなるので効率的に仕事をこなすことができるため、運転手も乗せてくれます。ただ到着階のタクシー乗り場に比べて警備の眼が比較的緩く、それを狙って白タクが紛れ込んでくるということもあり得ます。
50バーツを安全料として払うか否かの判断になるのですが、白タクに合う確率を下げるためにも、タクシーは正規のタクシー乗り場から乗るようにしましょう。
ナンバープレートの色をチェック!
日本でも車によってナンバープレートの色が違うのをご存知でしょうか?例えば軽自動車は黄色、普通自動車は白、タクシーは緑といったように車の規格や用途によって色分けがされています。
これは海外でも同じように色分けを行っている国もあるので、他のタクシーと比べて違う色のタクシーではないか注意してみて下さい。
白タクは事業許可を得ていない、いわば普通の人が自家用車をつかってタクシーごっこをしているということなので、ナンバープレートも当然正規の物とは異なりますので、気を配っていれば白タクを避けることができるかもしれません。
5. もしものときのための防衛策
最後にタクシーでトラブルに合うのを、未然に防ぐ手段をご紹介したいと思います。
車内で写真を撮る
デジカメにも電話機能が付いてくる時代です。
…違うな。
電話にもデジカメ機能がついてくる時代です。
露骨に運転手をはじめ、人にカメラを向けるのはいただけませんが、外の風景や社内の雰囲気を撮るというのは、やはり運転手に向けて抑止効果があります。
例えばこんな感じ。肝心な部分がボケておりますが(笑)
ナンバープレートを撮るというのは容易ではありませんが、日本のタクシーと同じように許可証をフロントガラス付近に掲示している所が多いので、それが映るようさりげなく写真を撮るのも有効でしょう。
また後部座席から後ろを見ると、窓の上部に車番がペイントされていることもあるので、こちらも控えておくと万が一の時に役に立ちますので記憶にとどめておいてください。
グーグルマップを見せる
こちらは先ほどもご紹介しましたが、現代の携帯にはGPS機能も搭載されているようなので、現在地をグーグルマップ等で確認している素振りを見せるのも手でしょう。
単純に行先を誤解されためにも有効な手段ですので、試してみて下さい。
向こうから声をかけてきたタクシーは避ける
これはもう本能的に皆さん避ける傾向にあると思いますので、詳しくは触れません。
空港でタクシーがズラッと順番待ちをして並んでいるという光景を一度は見たことがあると思います。
こんな具合に…
その中でカニが、いや、運転手がわざわざ降りてきて、車を置いて、到着口まで客を迎ええに来ると思いますか?
正規のタクシーではないため、その列にはおらず(入れず)、別の所に車を置いている可能性があります。避けましょう。
車内で騒がない
異国の地についてついついテンションがあがって車内で菓子パを始めちゃう…なんて人はいないでしょうが。
そうではなく、折り際にお金のことでトラブルになった際、まだドアが閉じている段階では騒がないようにしましょう。(もちろん騒がない方がいいに越したことはないのですが…)
最悪ドアにロックをかけられて、どこかへ連れて行かれるということもあります。万が一騒ぐ場合はドアを開けて、いつでも降りられるようにしてからにしましょう。
もしドアマンのいるホテルなどに着いた場合は、ドアマンに助けを求めるのも一つの手ですので覚えておくとよいでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。スムーズな出張、もしくは楽しい旅行のために、些細なことでも実践しておくとトラブル回避につながります。
もちろん一番は場数を踏むということになるんでしょうが、初心者の方でも安心して海外でタクシーを使えるよういくつかアドバイスをさせていただきました。
これが役に立ち、またこんな経験もしたよー!とかお話を聞かせて頂けると幸いです。
では Have a save trip!