海外旅行の準備として知っておくべき両替にまつわるTIPS

これまでにも何度か取り上げたLCC(格安航空会社)の普及のおかげで、国内旅行のみならず、海外旅行も以前に比べるとずっと身近になりました。
さて今回は、海外旅行とは切っても切り離せない為替や両替のお話です。
「為替」というと、アレルギーを発症する方もいらっしゃるかと思いますので、まずは非常にシンプルに為替の最低限の知識だけでもお話しできればと思います。
そして併せて、海外旅行に行く際の為替にまつわる豆知識も伝授します!
(ライティング・撮影/藤好)
両替のための基礎知識「円高?円安?」
もう知ってるよ!って人は飛ばして下さい。
さて、次のうちどちらが円が安い状態でしょうか。
1. 1ドル=100円
2. 1ドル=120円
答えは「2」となります。
でも数字が小さいのは「1」ですよね?
どういうことか。円安というのは数字が小さいことではなく、その通貨(今回は円)の価値が低いことです。
もっとわかりやすく。
あなたはハワイが好きで、年に3回行っています。そこでいつもお気に入りの1ドルのコーヒーを飲むのがお決まりです。
1月(1ドル=100円の時)
⇒ 円換算すると、1杯100円でコーヒーを飲んでいた。
5月(1ドル=150円の時)
⇒ 円換算すると、1杯150円でコーヒーを飲んでいた。
11月(1ドル=200円の時)
⇒ 円換算すると、1杯200円でコーヒーを飲んでいた。
さて、飲んでいるコーヒーが全く同じで、値段(ドル)も変わっていないのに、円で考えるとだんだん高くなってませんか?
なぜかというと、以前は1ドルを買うのに100円で済んだのに、11月には1ドルを買うのに200円も必要になった。つまり、円の持つ価値が200円でやっと1ドル買えるところまで下がった(低くなった)からです。
100円のパワーが1ドル分なのか、200円かけてやっと1ドル分のパワーなのか。
後者の方が、1円あたりの持つパワーが下がってますよね?これが「円安」という状態です。
とうわけで、先ほどの問題は「2」が円安となりますね。
海外旅行の準備として、両替は必要?
では本題。
海外旅行へ行く時は、よっぽどのことがない限り両替をすることになるかと思います。
ここで鋭い人は一ツッコミ!
「俺、クレジットカードあるから現金はいらない!」
確かに、海外は日本よりクレジットカードが活躍する場が多くあります。
そのせいか、最近はよく外国の方に「なぜ日本の電車の券売機ではカードが使えないんだ!?」という言われます。
これぞまさに、
ホワイ!?ジャパニーズピーポー!?
です。
日本では、新幹線や特急電車の切符を買う時にはカードが使えますが、隣駅まで行くための150円の切符をカードで買うことはできません。
外国ではそうした近距離の電車でもクレジットカード。スーパーで缶コーヒー1個もカード。公衆電話でもカード。
また飛行機に乗るときも、本人確認の意味でそのチケットを購入したクレジットカードの提示を求められることも多々あります。クレジット(英語で「信用」の意味)という名の通り、その人の信用力を表すのがクレジットカードだと言っても過言ではありません。
したがって、海外でクレジットカードを持っていないということは、極端に言えばカードを作ることができないほど(経済面で)信用力のない人となってしまいます。
では、そういった海外ではクレジットカードがあれば万能なのか。
答えはNOです。
ありとあらゆる場面でカードが使えるとは限りません。またクレジットカードを使用するということは、お店としてはカード会社にマージン(手数料)を支払う必要があり、これは直接的にはお店の負担となります。
なので、意地悪いお店では「端末が壊れている」と言って受け付けてくれない場合もありますので、現金というのは少なからず持っておいてください。必ずしも全て両替しておく必要はありません、円のままでもいいので持っておいた方が無難です。
※海外のお店のレジでは「We prefer VISA」といったような表示がある場合があります。これは、VISAカードで決済することでお店側のカード会社への負担が軽くなるため、指定カードで決済を促しているということです。店によってはこれ以外のカードを提示すると、執拗に他のカードがないかを尋ねてきたり、露骨に嫌な顔をされることもあります。
航空券の支払いはどこの通貨?
これは以外に知られていないかも。
次のチケットはどこの通貨で支払うか当ててみてください。
1. 日本 ⇒ 韓国/ANA
2. 韓国 ⇒ オランダ/KLMオランダ航空
3. オランダ ⇒ ドバイ経由 ⇒ 日本/エミレーツ航空
なかなか意地悪な質問ですね。笑
答えは以下の通り。
1. 日本円
2. 韓国ウォン
3. ユーロ
1については難しくないと思います。日本から出発しているし、航空会社も日本の会社です。
2は韓国から飛んでいますが、オランダの航空会社です。
3に至っては、ドバイを本拠地としている航空会社を使って、オランダから出発して日本へ向かっています。
考え方は単純でそのチケットの出発地の通貨で支払いをします。往復でチケットを取った場合は、最初の出発地の通貨です。
これを押さえた上で為替を上手く使えば、通常より割安で航空券を入手することができます。
というのも、例えば今回の「日本~オランダ往復の旅」ですが、当然直行便で往復する手もあります。すると当然航空券代は全て日本円で支払うことになりますよね。しかし直行便というのは、やはり便利さもあり、運賃は比較的高めです。
そこでウォン安の時に、先ほどの「日本~韓国~オランダ」というルートをとったとします。この場合、日本円で支払う区間は短距離である「日本~韓国」のみで、長距離である「韓国~オランダ」の区間はウォンで支払うことができますよね?こうすることで、円高ウォン安の時には、価値の高い通貨である日本円をあまり使わずに済むのです。
日本からなるべく距離の近い(=航空運賃が安い)ところへ出て、今度はそこの現地の通貨で長距離(=航空運賃が高い)のチケットを手に入れれば、全体的に安上がりになる可能性があります。
少しややこしいマニアックな話になりましたが、まずは航空券は出発地の通貨で支払うということを覚えておいてもらえればOKです!
円を両替する時はSELL欄を見よ
さて、それではいざ両替をしに銀行に行ったとします。そこにはこんな表示が…
USD BUY:JPY120/SELL:JPY125
少し極端な表現をしましたが、通常はこうして2種類書かれています。
はてさて、なんだこれ?
これは、「銀行側が」ドル(USD)を買う場合と売る場合のレートを表しています。
銀行側がドルを買う
(今回は銀行が1ドルを120円で買ってくれる)
銀行側がドルを売る
(今回は銀行が1ドルを125円で売ってくれる)
したがって、もしあなたが円を外貨に両替したければSELL欄を見るのが正解です。この数字が小さければ小さいほど、あなたは安く1ドルを買えるのでお得ということになりますね。
どこで両替するのがお得?
海外旅行に行った時、両替するチャンスは至る所にあります。
街中の銀行、空港、到着地の空港、ホテル、ショッピングモール…
これらは残念ながら通貨によって異なり、一概に言えないのです。
ただ一つ言えるのは、ホテルは24時間いつでも両替できる分、手数料がかかる(レートが悪い)場合がほとんどなので、緊急時以外は避けた方が無難です。
街中だと不安だという方は、空港で両替を済ませておきましょう。
またこういうことはありませんか?
シンガポールとマレーシアに旅行に行くのに、シンガポールドル(SGD)とマレーシアリンギ(MYR)を用意したとしましょう。旅程としては「日本 ⇒ マレーシア ⇒ シンガポール ⇒ 日本」とします。
シンガポールから帰ってくる時、余ったシンガポールドル(SGD)と一緒に、使い切らなかったマレーシアリンギ(MYR)を日本円に両替してもらう。
これ、損してますよ。
なぜかというと、シンガポールの銀行から見た場合の外貨であるマレーシアリンギ(MYR)を、これまた外貨である日本円(JPY)に両替しているため、レートが非常に悪くなってしまいます。
その国の通貨が絡まない両替は避けるようにしましょう!
さいごに
円安の進行で、日本人にとっては海外旅行がしづらい時期になっています。
しかしチラっとご紹介したように、航空券の手配の仕方を少し工夫することで節約することができます。
今回はご紹介した為替の知識を使って、ぜひ損をしない旅行を楽しんでください!
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます