【保存版】英語の不定詞3つの用法パーフェクトガイド

不定詞
最終更新日:
英語の不定詞パーフェクトガイド-5

英語の勉強をし始めると、わりと早い段階で出会うことになる不定詞。

不定詞には、名詞的用法形容詞的用法副詞的用法の3種類があるが、ここではその全体像についてお話ししていこう。

中学英語と高校英語の違いにも触れながら進めていくので、ぜひあなたのレベルアップに役立ててほしい。

CONTENTS

3つの不定詞の基礎

英語の不定詞パーフェクトガイド-1

一般的に不定詞は to + do(動詞の原形)という形をしていて、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法と呼ばれる3種類のものがある。

まずは、これら3種類の不定詞を「中学校ではどのように分類していたのか?」を振り返ってみることにしよう。

1. 中学英語での名詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-2

中学英語で名詞的用法の不定詞と言えば、もっぱら「~すること」と訳される不定詞のことだ。


It is important to believe in yourself.
自分自身を信じることは重要だ。
 
I don’t like to be treated as a kid.
私は子供扱いされることは好きじゃない。


 

 
よしよし~、よくできましたね~♡
 
やめんか。(いや、意外と悪くないかも……)
 
基礎知識として、名詞的用法の不定詞なら「~すること」と直訳できる点を押さえておこう。

2. 中学英語での形容詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-3

中学英語では、「~するための」「~するような」と訳される不定詞を形容詞的用法の不定詞と扱うことが多い。


Please give me something to write with.
何か書くためのものをください。
 
He is not a man to tell a lie.
彼は嘘をつくような人間じゃない。


 
特に「~するための」という訳し方は、次の副詞的用法の不定詞と覚え間違いやすいものなので、ここでしっかりと頭に残しておこう。

3. 中学英語での副詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-4

中学英語での副詞的用法の不定詞は、「~するために」や「~するほど」「~するには」などと訳される不定詞のことだ。


I go to a gym to work out.
汗を流すためにジムに行ってるんだ。
 
This road is dangerous to run on.
この道は走るには危険だ。


 
特に一つ目の「~するために(目的)」は、副詞的用法の不定詞のもっとも代表的な訳し方なので、これもしっかりと覚えておこう。

3つの不定詞を「品詞」という側面から考える

英語の不定詞パーフェクトガイド-8

さて、ここまでで見てきたように、「どのように訳すのか?」によって何的用法なのかが決まってくるのが、中学英語の特徴だ。

だが……

不定詞を取り扱うときに「どのように訳すのか?」ばかりに頼っていると、いざ見たことのない動詞を含む不定詞が出てきたときに、思考がピタッと止まってしまう。


The friends who encourage us to exaggerate our troubles and difficulties are not our best friends.


 
(ナニコレ……)

そこで、これまでの基本(訳し方)を押さえた上で、品詞や文型といった側面から、不定詞を取り扱ってみよう。

品詞や文型といった基本的なルールを通して考えるのが、中学英語と高校英語の一番の違いだ。

高校英語での名詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-5

名詞的用法の不定詞とは、ズバリ、名詞と同じ働きをする不定詞だと言える。

名詞には、主語Sになる補語Cになる他動詞の目的語Oになる前置詞の目的語Oになる直前の名詞を同格的に修飾するという5つの働きがあった。

ここでは、こういった名詞の5つの働きと照らし合わせながら、名詞的用法の不定詞を見ていこう。

主語Sになる名詞

Money is essential for living.
お金というものは生きていく上で欠かせないものだ。
To be alone is essential to maintain peace of mind.
孤独であるということが心の平穏を保つためには欠かせない。

補語Cになる名詞

All we need is love.
私たちに必要なものは愛だ。
All we need is to have a dream.
私たちに必要なものは夢を持つことだ。

他動詞の目的語Oになる名詞

I want a car.
私は車が欲しい。
I want to know your feelings.
私はあなたの気持ちが知りたい。

 
オリヴィア、俺はキミの本当の気持ちが知りたいんだ!
 
んー、とりあえず、財布がほしい。

前置詞の目的語Oになる名詞

I have no idea about this.
このことについては見当もつかない。
I have no choice but to wait here.
ここで待つことを除いた選択肢がない。
=ここで待つしかない。

※一般の前置詞は不定詞を目的語Oにとらないが、前置詞 but(~を除いて)だけは例外。名詞的用法の不定詞を目的語Oにとる。

前の名詞を同格的に修飾する名詞

The news that she married surprised us.
彼女が結婚したという知らせが私たちを驚かせた。
The ability to walk is acquired very early in life.
歩くという能力は人生の早い段階で得られる。

※ここの to walk は、一見すると ability を修飾する形容詞的用法の不定詞だが、関係詞節(形容詞節)には書き換えられないので、名詞的用法の不定詞だと考えられる。

>> こちらの記事も要チェック >>
形容詞的用法の不定詞は、
関係詞節に書き換えられる!?
英文法の無料講義(全31回・500分)

 
 
こうやって見てみると、名詞的用法の不定詞は「名詞」の一種に過ぎないということがわかると思う。

2. 高校英語での形容詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-6

中学英語では「~するための」「~するような」と訳される(つまり、名詞を修飾する)不定詞ばかりを形容詞的用法と扱ってきた。

けれども、形容詞の働きが名詞を修飾するだけではないことは、あなたもご存知のはずだ。

そう、形容詞には「補語Cになる」という、もう一つの立派な働きがある。

名詞を修飾する形容詞

■ 形容詞が名詞を修飾
You’ll find something exciting and fun.
あなたは何かワクワクして面白いことを見つけるでしょう。

■ 形容詞的用法の不定詞が名詞を修飾
I want something to drink.
何か飲み物が欲しい。

補語Cになる形容詞

■ 補語Cが形容詞
I think him very clever.
私は彼が非常に賢いと思う。

■ 補語Cが形容詞的用法の不定詞
I told him to email you.
私は彼にあなたにメールをするように言った。

※ここでは、第5文型(SVOC)の補語Cになる形容詞的用法の不定詞だけを扱った。

>> こちらの記事も要チェック >>
英語が苦手な人へ!
第5文型SVOCを100%理解できるようになる話

 
 
このように、これからは形容詞の働きと照らし合わせて、形容詞的用法の不定詞が補語Cになることもあると理解しておこう。

そうすれば、文法的な視野が一段と広がる。

3. 高校英語での副詞的用法の不定詞

英語の不定詞パーフェクトガイド-7

ここまで来ればお気付きだと思うが、副詞的用法の不定詞は「副詞」の一種に過ぎない。

副詞には、動詞や形容詞・副詞を修飾する働きがあるが、ここでは、副詞的用法の不定詞が持っている6つの意味を覚えておこう。

目的(~するために…する)

I go to a gym to work out.
汗を流すためにジムに行っている。

感情の原因(~して…に感じる)

I am very glad to join your team.
あなた方のチームに加われて大変嬉しいです。

判断の根拠(~するとは…に違いない)

He must be a coward to act like that.
そんな行動を取るなんて彼は腰抜けに違いない。

そのあとに起こった結果(…して、そして~した)

I emailed her only to get an automatic reply.
彼女にメールをしたが、機械的な返信が来ただけだった。
I emailed her never to hear back.
彼女にメールをしたが、返事は来なかった。

 
あら?ジェフの実体験に基づく例文かしら?
 
バカヤロウ。
 
※こういった「そのあとに起こった結果」を表す副詞的用法の不定詞は動詞を修飾しているわけではないが、文中での位置から「副詞」だと扱われている。

※また、結果の「虚しさ」のようなニュアンスを表すために only が添えられたり、否定的な結果の場合には never が添えられたりする。

条件(~するならば…)

I should be happy to be of service to you.
あなたのお役に立てれば幸いです。

※前述の「感情の原因(~して…に感じる)」を表すものとの境界が曖昧だが、ここでは一応「条件(~するならば)」を表す副詞的用法の不定詞だと考える。

程度(~するほど…)

He is rich enough to buy whatever he wants.
彼は欲しいものをなんでも買えるほどお金持ちだ。

※こういった「程度(~するほど)」を表す副詞的用法の不定詞は、動詞ではなく形容詞を修飾しているという特徴がある。(ここでは rich を修飾。)

さいごに(不定詞の関連授業)

いかがだっただろう。

不定詞の全体像についてお話ししてきたが、単なる訳し方からだけではなく、「どの品詞と同じ働きをしているのか?」という視点で不定詞を分類すれば、頭の中をより整理しやすいのではないだろうか。

>> こちらの記事も要チェック >>
不定詞がグッと身近になる授業が満載!
英文法の無料講義(全31回・500分)

 
 
英語学習におすすめの記事