こんなことすら知らなかった!英文法の基礎となる2つの武器

どんな文法書・参考書をめくっても、多くの場合は「品詞」や「S・V・O・C・M」の話から始まっている。
初心者がこういったところから英語の勉強を始めることは、今後の学習効率を考えると、もちろん正しいことだ。
ここでは「品詞」と「S・V・O・C・M」の違いについて、詳しくお話ししていこう。
「品詞」と「S・V・O・C・M」は違うということを押さえるだけでも、相当勉強しやすくなると思うので、ぜひ参考にしてほしい。
CONTENTS
「品詞」と「文の要素」は別物
名詞・形容詞・副詞などを「品詞」と呼ぶのに対して、S・V・O・C・Mは「文の要素」と呼ばれている。
まずは「品詞」と「文の要素」がまったくの別物だということを理解しておこう。
… 名詞・動詞・助動詞・形容詞・副詞・接続詞・前置詞・間投詞の8つ
文の要素
… S(主語)・V(述語動詞)・O(目的語)・C(補語)・M(修飾語)の5つ
「品詞」と「文の要素」を一緒にしちゃってない!?
ここで確認のために、ちょっとしたクイズをやってみよう。次の英文を見てほしい。
He thinks things simply.
彼は物事を単純に考える。
この文の中にある「He」という単語だが、その品詞は何だろう?
ひょっとしたら、こうやって安易に答えてしまった人もいるかも知れないが、He の「品詞」は名詞(代名詞)だ。
主語Sというのは「品詞」ではなく「文の要素」なので、今回のクイズの答えには適さない。
確かに、同じ「He」という単語が「名詞であり、かつ、主語Sでもある」ので、最初は少しややこしく感じるかも知れないが、要は、切り口が2つあるということだ。
文の要素(S・V・O・C・M)を考えているのか?
まずはここを明確に区別しておこう。
次は「自動詞と他動詞の違い」を押さえよう >>
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「品詞」とは、他の部分との繋がりを表すもの
それでは続いて、品詞とはいったい何者なのかについて、具体的に見ていこう。
確かに学問上の定義としては、「単語を文法上の働きや性質によって分類したもの(???)」と言うこともできると思うが、初心者に対してこの表現は親切じゃない。
ここでは、品詞というものをもっと簡単に、かつ実用的に捉えたい。ズバリ言うと、品詞とは、他の部分との繋がりを表すルールのことだ。
例えば、「形容詞」という品詞がある。
高い……
小さい……
丸い……
これらはすべて「形容詞」と呼ばれるものだが、この後に続く言葉を適当に当てはめてみよう。
高い ⇒ 服
小さい ⇒ 夢
丸い ⇒ パン
もうおわかりのように、適当に続けた「ブーツ・服・夢・パン」はすべて「名詞」と呼ばれるものだ。
このように、例えば「形容詞」という品詞は「名詞」と繋がっている。
品詞は他の部分との繋がりを表すルールだと押さえておこう。
英語で出てくる8つの品詞
では、こういった品詞には、具体的にどんなものがあるのだろう?英語では基本的に8つの品詞が扱われる。簡単にまとめておくので、徐々に慣れて行ってほしい。
1. 名詞
例)train, idea, production, health, ……など
よく、「名詞は人や物の名前を表すもの」と言われるが、そういったものだけが名詞ではない。idea(考え方)や health(健康)などのように、抽象的な名詞もたくさんある。
英語の勉強が進めば、単語二語以上が集まった大きな名詞のカタマリ(名詞句・名詞節)に出くわすこともあるだろう。
詳しくは以下の記事で解説しているので、併せて参考にしてほしい。
2. 助動詞
例)will, should, can, must, may, ……など
will(~するだろう)や should(~すべき)のように、動詞にちょっとした意味を付け加えるのが助動詞という品詞だ。英語では、助動詞の後ろには必ず動詞の原形が置かれる。
3. 動詞
例)belong, make, believe, remain, analyze, ……など
動詞は、主語S(後述)の状態や動作を表す品詞。動詞で大切なことは、必ずそれを自動詞・他動詞に分けて考えるということだ。自動詞・他動詞の違いに関しては、以下の記事を参考にしていただきたい。
4. 形容詞
例)tall, simple, important, naive, ……など
形容詞は、名詞を修飾したり、be動詞などの後ろに置かれたりするものだ。名詞の状態や様子を表す品詞とも言えるだろう。
5. 副詞
例)fast, well, often, there, ……など
形容詞が名詞を説明するのに対して、副詞は動詞・形容詞・副詞を説明するものだ。「速く ⇒ 走る」や「とても ⇒ 幸せだ」のように、動詞や形容詞などを補足的に説明する働きを持つ。
6. 接続詞
例)and, but, so, because, if, though, ……など
細かな話はいろいろとあるが、まずは、後ろにSV構造が続くものを接続詞だと思ってもらえればよい。特に、because(~するので)やif(~するならば)、though(~するけれど)などの後ろには必ずSV構造がなければならない。
7. 前置詞
例)in, on, into, to, of, beyond, ……など
接続詞の後ろにはSV構造が置かれるのに対して、前置詞の後ろには必ず名詞がなければならない。前置詞の持つ意味としては、場所・方向・理由など、前置詞によってさまざまある。
8. 間投詞
例)Oh!/Hey!/Huh! ……など
⇒ 会話の間に投げかける言葉を「間投詞」と言うが、これはあまり気にしなくてよい。他の品詞とは関わりのない品詞なので、無視してもらっても問題ないだろう。
「~詞」という字が付いているのに、品詞じゃないヤツ
英語の品詞には8つ(間投詞を除けば7つ)のものがあることを確認したが、もう一点だけ品詞について確認しておくべきことがある。
たぶん、このあたりが原因で、「英語の文法はヤダ!」と思い込んでしまっている人も多いのではないだろうか?
その思い込みを解くためにも、ここで、「~詞」という字が付いているにも関わらず、品詞の名前じゃないものがあるということを知っておこう。具体的には、次のようなものだ。
分詞
動名詞
関係詞
疑問詞
こうやってハッキリ言われないとなかなか気付きにくいところだが、これらは品詞の名前ではないので注意してほしい。英語の品詞というのは、あくまでもさっきの8つのことだ。
「文の要素」とは、その文の中でのポジションを表すもの
「品詞」というものが「他の部分との繋がりを表すルール」であるのに対して、「文の要素」とはその文の中でのポジションを表すものだ。
残念ながら、この「文の要素」という言葉は、日本全体で見ても月間でわずか30回ほどしか検索されていない超マイナーな言葉だが、具体的には見たことがあると思う。
S(主語)・V(述語動詞)・O(目的語)・C(補語)・M(修飾語)の5つだ。
例えば、文頭というのは主語Sのポジションだし、is や are といったbe動詞の後ろは補語Cのポジションだ。watch(を見る)という他動詞の後ろには必ず名詞が置かれなければならないが、このポジションのことを目的語Oと言う。修飾語Mだけは比較的自由で、文頭・文中・文末など、さまざまなところに置かれる。
繰り返しになるが、S・V・O・C・Mは品詞ではないということを、しっかりと理解しておこう。
まとめ
いかがだっただろう。
ここでは、英文法の基礎中の基礎とも言える「品詞」と「文の要素」の違いについてお話しした。
文の要素 … 文の中でのポジション(位置)を表す記号
この2つの違いを知っておくだけでも、英語の勉強にかなり抵抗がなくなると思うので、ぜひ知っておいてもらいたい。
ここがわかると英語の勉強が加速する
