関係代名詞 who, which, that をマスター|主格・目的格の例文満載

英文法関係詞
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関係代名詞の表

関係代名詞とは、SV構造を使って名詞を説明するときのキッカケになる言葉で、基本的なものに who, which, that の3つがある。

文法的には、関係代名詞は関係詞節の中で「代名詞」になっているというのがポイントだ。

ここでは、さまざまな例文を通して、関係代名詞 who, which, that の使い方をマスターしていこう。

CONTENTS

基本の確認|先行詞と関係詞節

本題に入る前に、「先行詞」や「関係詞節」という言葉について、簡単に確認しておこう。

多くの学習者を見ていると、「関係詞」と「関係詞節」を混同していることもあるので、注意が必要だ。

なお、「それくらいわかってる!」という場合には、次の「関係代名詞の主格・所有格・目的格」に進んで大丈夫だ。

先行詞とは

先行詞とは、関係代名詞をキッカケにして説明される(修飾される)名詞のことだ。

I have a friend who knows many delicious restaurants.

(私には美味しいレストランをたくさん知っている友人がいる。)

先行詞:friend

関係詞節とは

関係詞節とは、関係詞(関係代名詞や関係副詞)から始まるSVのカタマリのことだ。

I have a friend who knows many delicious restaurants.

(私には美味しいレストランをたくさん知っている友人がいる。)

関係詞節:who knows many delicious restaurants

基本的には、関係詞節は形容詞節(大きな形容詞)になる。先行詞(名詞)を修飾しているからだ。

関係代名詞には主格・所有格・目的格がある

普通の代名詞( they や it など)と同じように、関係代名詞にも形の変化(主格 - 所有格 - 目的格)がある。

主 格:主語Sとして使うときの形( they や it )
所有格:「~の」を表す形( their や its )
目的格:目的語Oとして使うときの形( them や it )

関係代名詞の主格・所有格・目的格は、次の表のような形だ。

関係代名詞の表

これを踏まえて、関係代名詞 who, which, that の違いと使い方を学んでいこう。

関係代名詞 who, which, that の違い

関係代名詞 who, which, that の違いは、次のようなものだ。

who:「人」を説明する
which:「物事」を説明する
that:「人」「物事」のどちらも説明できる

それぞれ、詳しく見てみよう。

関係代名詞 who の使い方

関係代名詞 who は「人」を説明するときのキッカケになる言葉で、

主格:who
所有格:whose
目的格:whom または who

という形の変化がある。

主格 who の例文

主格の who は、関係詞節の中で主語Sになっている。

I have a friend who knows many delicious restaurants.

(私には美味しいレストランをたくさん知っている友人がいる。)

The woman who lives next door is a famous artist.

(隣に住んでいる女性は有名なアーティストです。)

There's a man who walks his dog in the park every morning.

(毎朝公園で犬と散歩している男性がいるんですよ。)

所有格 whose の例文

普通の代名詞の所有格( my, his, her など)と同じように、関係代名詞の所有格 whose の直後には「名詞」を続けよう。

I talked to the gentleman whose glasses were missing.

(私は眼鏡をなくしている男性に話しかけた。)

The child whose toy broke started to cry.

(おもちゃが壊れた子供が泣き始めた。)

The woman whose purse was stolen is talking to the police.

(財布を盗まれた女性が警察に電話している。)

目的格 who(m) の例文

目的格の who(m) は、関係詞節の中で他動詞や前置詞の目的語Oになっている。

目的格として whom ではなく who を使うこともあるが、短縮された who の方がカジュアルな印象になると押さえておこう。

The woman who(m) he married is a doctor.

(彼が結婚した女性は医師です。)

I have a colleague who(m) I trust with important projects.

(私には重要なプロジェクトを任せられる同僚がいる。)

The lady who(m) I talked to gave me directions to the nearest cafe.

(私が話しかけた女性は、一番近くのカフェへの道順を教えてくれた。)

なお、このあと詳しく学ぶが、関係代名詞の目的格は省略することも可能だ。

関係代名詞 which の使い方

関係代名詞 which は「物事」を説明するときのキッカケになる言葉で、

主格:which
所有格:whose
目的格:which

という形の変化がある。

主格 which の例文

主格の which は、関係詞節の中で主語Sになっている。

He suggested a plan which seemed so effective.

(彼は効果的に思える計画を提案した。)

The phone which has a blue cover belongs to John.

(青いケースの携帯はジョンのです。)

The dog which barks loudly lives next door.

(うるさく吠える犬が隣に住んでいる。)

所有格 whose の例文

普通の代名詞の所有格( my, his, her など)と同じように、関係代名詞の所有格 whose の直後には「名詞」を続けよう。

I have a cat whose fur is silky.

(私は毛がスベスベの猫を飼っています。)

I'll buy a car whose fuel efficiency is good.

(燃費のいい車を買うつもりだよ。)

The phone whose battery lasts all day is my first choice.

(充電が一日中持つ携帯が第一候補です。)

目的格 which の例文

目的格の which は、関係詞節の中で他動詞や前置詞の目的語Oになっている。

The book which you recommended is fantastic.

(あなたが勧めてくれた本は素晴らしい。)

I have a dress which I wear only on special occasions.

(特別な日にだけ着るドレスを持っています。)

I love the cakes which he bakes specifically for me.

(彼が私のためだけに焼いてくれるケーキが好きなの。)

なお、関係代名詞の目的格は省略することも可能だ。

関係代名詞 that の使い方

関係代名詞 that は「人」「物事」のどちらでも説明できる言葉で、

主格:which
所有格:なし
目的格:which

という形の変化がある。

主格 that の例文

主格の that は、関係詞節の中で主語Sになっている。

The boy that is playing the piano beautifully is only ten.

(美しい音色でピアノを弾いているその男の子はわずか10歳だ。)

The tree that grows in our backyard is a sakura.

(うちの裏庭で育っている木は桜の木です。)

His biggest fear is a situation that puts his family in danger.

(彼がもっとも恐れているのは、家族を危険にさらす状況だ。)

目的格 that の例文

目的格の that は、関係詞節の中で他動詞や前置詞の目的語Oになっている。

The chef that they hired is known for his innovative dishes.

(彼らが雇ったシェフは革新的な料理で有名だ。)

The laptop that I use is very fast and light to carry.

(私が使っているノートパソコンは、とても速くて持ち運ぶのも軽い。)

My daughter found an insect that experts believe to be rare.

(娘は専門家たちが珍しいとしている昆虫を見つけた。)

なお、関係代名詞の目的格は省略することも可能だ。

その他の重要事項

また、余力や興味があれば、次の5つの項目も理解しておこう。関係代名詞をマスターする上で、どれも欠かせない内容だ。

1. 関係代名詞の省略
2. 関係代名詞 that だけを使う場合
3. 前置詞+関係代名詞
4. 関係代名詞 what
5. 関係代名詞と関係副詞の違い

1. 関係代名詞の省略

関係代名詞の目的格はよく省略される。

英語に限らず、言葉というものは「省略する方がカジュアル」「表現する方がフォーマル」なので、関係代名詞の目的格を省略した場合には、比較的カジュアルになると押さえておこう。

The woman (whom/who) he married is a doctor.

(彼が結婚した女性は医師です。)

The book (which/that) you recommended is fantastic.

(あなたが勧めてくれた本は素晴らしい。)

My daughter found an insect (which/that) experts believe to be rare.

(娘は専門家たちが珍しいとしている昆虫を見つけた。)

省略の見抜き方

関係代名詞の目的格が省略されているときに重要なのは、「省略に気付けるかどうか」や「関係詞節の存在に気付けるかどうか」だ。

関係代名詞の目的格の省略を見抜くためには、「関係詞節の文構造」に注目しよう。これまでにも学んだように、関係代名詞は関係詞節の中で「代名詞」として働く言葉なので、関係代名詞を除けば、関係詞節の中は不完全文(SやOがない文)になる。

The book you recommended is fantastic.

↓ you recommended は他動詞 recommend(を勧める)の目的語Oがない不完全文なので……

The book (which/that) you recommended is fantastic.

関係代名詞の目的格が省略されているはず!

このように、他動詞や前置詞の目的語Oがない不完全文があれば、関係代名詞の目的格が省略されているとわかる。

なお、センスの良いあなたならお気付きかもしれないが、関係代名詞の省略に気付くためには、自動詞と他動詞を見分ける必要がある。

以下のページの動画では、自動詞と他動詞の違いについてわかりやすく学べるので、英文法の基礎としてしっかりと押さえておこう。

2. 関係代名詞 that だけを使う場合

先行詞が「すべてのもの」「唯一のもの」「無」を表す場合、関係代名詞は which ではなく that がかなり好まれる。

He doubts everything that is told to him without proof.

(彼は証拠もなく言われることはすべて疑う。)

The first thing that comes to mind is her face.

(最初に思い浮かんだのは彼女の顔だ。)

There’s no excuse that can justify such behavior.

(そうした行為を正当化できる理由はない。)

「なぜ that が好まれるのか?」という理由も含めて、以下のページで確認しておこう。

- 詳しく学ぶ -

3. 前置詞+関係代名詞

関係代名詞の目的格が「前置詞の目的語O」の場合、前置詞を関係代名詞の直前に回すこともできる。

I have close friends who(m) I travel with every year.
= I have close friends with whom I travel every year.

(私には毎年一緒に旅行をする親しい友人がいます。)

Does your hotel have a pool which a child can swim in?
= Does your hotel offer a pool in which a child can swim?

(そちらのホテルには子供が泳げるプールはありますか?)

ただし、この場合には that を使うことはできず、また、目的格の whom を who で代用することもできない。必ず with whom や in which といった形にしよう。

- 詳しく学ぶ -

4. 関係代名詞 what

関係代名詞の who, which, that が形容詞節(大きな形容詞)を作るのに対して、関係代名詞 what は名詞節(大きな名詞)を作る。

これは、関係代名詞 what に先行詞 the thing のニュアンスが含まれるからだ。英文法(語順のルール)に慣れるためには、関係代名詞 what を the thing which に置き換えて考えるようにしよう。

I'll give you what you want for your birthday.

(誕生日に欲しいものをプレゼントするよ。)

↓ what = the thing which に置き換えると……

= I'll give you the thing which you want for your birthday.

- 詳しく学ぶ -

5. 関係代名詞と関係副詞の違い

関係代名詞が関係詞節の中で「代名詞」として働くのに対して、関係副詞( when, where, why, how )は関係詞節の中で「副詞」になっている言葉だ。

The house where we live has a beautiful garden.

(私たちが住んでいる家には美しい庭があります。)

※ live(住んでいる)が自動詞なので、we live は完全文で where は副詞。

難しい印象の関係副詞だが、代名詞や副詞といった「品詞の働き」に注目すれば、スッキリと理解できる。

- 詳しく学ぶ -

さいごに|関係代名詞は「代名詞」の一種

ここでは、関係代名詞 who, which, that の使い方を学んだが、もっとも重要なポイントとして、関係代名詞は関係詞節の中で「代名詞」として働いているというところを押さえておこう。

また、関係代名詞の省略に気付いたり、関係代名詞と関係副詞の違いを理解したりするためには、「自動詞と他動詞の違い」をしっかりと理解しておく必要がある。

不安や必要性があれば、以下のページの動画をよく確認しておこう。